ニュース・フラッシュ
- 鉱種:
- 銅 コバルト リチウム
メキシコ:エネルギー転換に伴う鉱物需要の増加、犯罪組織の関心に警戒必要
2023年1月13日付け報道によると、世界的なエネルギー転換の加速と、それにともなう金属需要の高まりにより、複数の鉱業国では犯罪組織による影響が高リスクとみられていることが報じられた。
対組織犯罪戦略を模索するスイスの市民社会組織であるGlobal Initiativeは、リチウムや銅、コバルトをはじめとする、一般的に「グリーンミネラルズ」と呼ばれるこれら鉱物が、犯罪組織による標的となり得るリスクについて業界では盲点となっていると警告する。同機関による調査報告書“Global Organized Crime Index 2021”に基づく、汚職および犯罪組織の活動が増加している地域と、グリーンミネラルズの主要鉱床が存在する地域を比較し、特に高リスクな地域としてブラジル、南ア、中国、メキシコ、ペルー、インドネシア、ベトナム、インドが特定された。例として挙げられたメキシコでは、麻薬組織が活動分野を拡大し、鉱山がターゲットの一つとされる傾向にあり、主要リチウム鉱床が存在するSonora州でも麻薬組織が活動地域の統制を行っていることが確認されている。
Global Initiativeによれば、鉱物資源需要の急激な増加は、犯罪組織にとっても格好の機会となることは間違いなく、気候変動対策に直接的な脅威を与えるとされ、汚職や犯罪からサプライチェーンを保護するため、早急に対策を施す重要性が説かれた。


