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ニュース・フラッシュ

鉱種:
アンチモン ストロンチウム タングステン リチウム レアメタル
2023年1月23日 金属企画部 小口朋恵

韓国:調達庁・鉱業公団、国家鉱物備蓄量の不適合が発覚

 2023年1月3日付け現地報道によると、監査院の「政府備蓄物資管理実態点検結果」にて、国内需要の試算ミスが原因で、公共調達庁(PPS)および旧韓国鉱物資源公社(以下、旧KORES、現在は韓国鉱害鉱業公団(KOMIR))の国家鉱物備蓄量が過剰また不足していることが判明した。
 旧KORESは、レアメタル10種の備蓄計画を策定する際、過去3年間(2019~2021)の平均輸入データを更新せず、2010~2012年の輸入データを用いて算出した結果、タングステン粉末の目標在庫は178tのところ40tと過小評価、アンチモンインゴットは615tのところ1,520tと過大評価されていた。またPPSが算出した鉛の目標在庫は8,691tと監査人が設定した鉛の目標在庫21tの414倍、備蓄量は590倍の12,389tに達していた。
 一方、2019年6月に制定された「金属資源備蓄の改善のための措置」に基づきレアメタル9種の備蓄事業をPPSから旧KORESに移管する以前の2019年4月、PPSが炭酸リチウム及び炭酸ストロンチウムの購入を、産業通商資源省と旧KORESとの協議や引き渡しを経ず、恣意的に停止していたことが判明した。このため、2021年10~12月の価格高騰と輸入量の減少により炭酸ストロンチウムの需給に緊急事態が発生した際、備蓄量(炭酸リチウム99t、炭酸ストロンチウム50t)の不足により備蓄物資の放出が叶わなかったという。
 監査人は、PPS長官及び旧KORES公団長に対し、対象の在庫に関する業務の徹底を指示するとともに、旧KORESに事前相談なく炭酸ストロンチウム等の購入を停止したPPSに対し、注意喚起を行った。

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