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亜鉛 鉄鉱石 その他
2023年2月24日 バンクーバー 武市知子

加:Teck Resources社、製鉄用原料炭事業をスピンオフ、Teck Metals社とElk Valley Resources社の2社に分離・上場する計画

 2023年2月21日付けプレスリリースによると、加Teck Resources社は製鉄用原料炭事業をスピンオフし、非鉄金属事業を担う「Teck Metals」社(存続会社)と製鉄用石炭事業を担う「Elk Valley Resources(EVR)」社として2社に分離・上場することを発表した。
 EVR社の普通株式をTeck Resources社の株主に分配することで、Teck Resources社はスピンオフを行う。分配基準日時点でTeck Resources社の株式を保有している株主に対し、Teck Resourcesの株式1株に対してEVR社の普通株式0.1株(計51.9百万株)、1株当たり約0.39C$の交換比率でEVR社の普通株式が分配される。
 製鉄用石炭事業をEVR社に譲渡する対価として、EVR社はTeck Metals社にロイヤルティ・優先株式・普通株式の87.5%を付与する。一定期間、優先株式の償還価額及びロイヤルティの支払いとして、EVR社のフリーキャッシュフローのうち約90%がロイヤルティ保有者に分配される。これにより、Teck Metals社は銅資産への投資を継続できるとともに、株主へのリターンも期待されている。
 同社CEOはプレスリリースの中で、2社に分離することでポートフォリオが簡素化され、財務的・戦略的にフォーカスできるようになり、また投資家に選択肢を提供すると述べている。
 またTeck Resources社の製鉄用石炭事業のJVパートナーである日本製鉄株式会社及び韓POSCO社は、EVR社の普通株式等を取得することで合意した。日本製鉄は、本取引に1.15bC$を出資し(その内の125mC$は同社が保有するBC州Elkview炭鉱の権益を充当)、EVR社の普通株・優先株・ロイヤルティのそれぞれ10%を取得する。なお普通株については、EVR社の上場後、市場を通じて17.5%まで買い増すことが可能である。POSCO社は2.5%を保有する。Teck Resources社は2023年4月26日頃に年次及び臨時株主総会を開催し、株主投票を行う予定で、2023年Q2の取引完了を目指している。
 また日本製鉄は、EVR社が生産する製鉄用原料炭を長期に亘って引き取るオフテイク契約をEVR社と締結することで、Teck Resources社と合意した。これにより、同社は製鉄用原料炭のなかでも高品質である強粘結炭を長期に亘って安定調達することが可能になる。また同社は、EVR社に取締役候補者1名を指名する権利等を含む株主契約を締結する。

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