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ニュース・フラッシュ

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その他
2023年3月15日 バンクーバー 武市知子

加:独Volkswagen社、EVバッテリーセル生産工場の建設予定地にON州を選定

 2023年3月13日付けのプレスリリースによると、独Volkswagen(VW)社とそのバッテリー生産企業PowerCo社は、VW社が海外で展開する初のバッテリーセル・ギガファクトリーの建設予定地としてON州St.Thomasを選定した。2027年からの生産開始を予定しており、ギガファクトリーに関する詳細情報は、今後発表される予定である。またVW社は2023年3月初旬に、電気自動車(EV)の多目的スポーツ車ブランド「スカウト」の製造工場を、米SC州に新設することを発表している。なお2022年8月に、加連邦政府とVW社は、EVバッテリーのサプライチェーンの協力関係に関するMOUに調印している(2022年8月25日付 ニュース・フラッシュ:連邦イノベーション・科学・産業省は独Volkswagen社及び独Mercedes-Benz社と個別にMOUを締結参照)。
 米インフレ抑制法(IRA)により米国が自動車メーカーへ多額の補助金を提案していることを考慮すると、今回のVW社の決定は自動車産業に大きな影響を与えると現地では報道されており、EV製造の主要プレーヤーとしての地位を確立しようとする加国の取り組みにおいて大きなマイルストーンの一つと考えられている。なお加連邦政府とON州政府からの補助金額については明らかにされていない。2022年3月に発表された、蘭Stellantis社と韓LG Energy Solution社によるON州でのEV用バッテリー工場の新設において、加連邦・ON州政府は合わせて約1bC$を拠出するとみられている。だが米国側の取り組みを考えると、今後も誘致を行うにはさらなる補助金が必要との声が業界関係者から出ている。Fedeli ON州経済開発相はインタビューの中で、加国及びON州の競争優位性として、「質の高い労働力」、「比較的クリーンな電力網」、「EVバッテリーに使用される主要鉱物へのアクセス」を挙げている。

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