メキシコ：コスト高と許可審査の遅れが鉱業生産に影響、メキシコ中銀報告

　2023年3月15日付け業界紙によると、メキシコ中央銀行は、同月14日に発表した2022年第4四半期地域経済レポートの中で、国内の鉱業生産が停滞している状況を報告した。
　レポートによれば、最大の障壁となったのは、サプライチェーンの混乱による火薬や燃料、機械等投入コストの増加とされた。また、環境関連をはじめとする必要許可の審査に遅れが生じていることで採掘を停止した例も報告されたほか、法の適用に関する不透明性や治安状況の変化を受け、カナダの鉱山企業が徐々にメキシコ国内の活動から退いていることが報告された。
　一方、世界的な景気後退の可能性によりプロジェクト開発が延期され、鉱石販売量も減少したほか、治安の悪化が各地に波及したことで、盗難対策費や生産物輸送にかかる保険料の上昇を誘発したと分析されている。また、第2層銀行による採掘活動を対象とした融資の利用可能額が減少したことで、新規探鉱投資が制限されていることも問題の一つとして挙げられた。
　なお、国立統計地理情報院（INEGI）の統計によると、2022年の鉱業生産指数は対前年比0.6％落ち込み、主に建設業や製鉄業の低迷によるものと報告されている。