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鉱種:
その他 レアアース/希土類
2023年3月23日 ロンドン 横手広樹

英:重要鉱物戦略に係るアップデート「Critical Minerals Refresh」の公表

 2023年3月13日付けプレスリリースによると、英ビジネス貿易省(Department for Business and Trade、DBT)は、2022年7月に策定した「重要鉱物戦略」のアップデートとして「Critical Minerals Refresh」を公表した。主なポイントとして以下を挙げている。

  • 変化する世界情勢と地政学的な競争の激化を踏まえ、英国企業向けの戦略の提供方法を刷新することが目的。重要鉱物戦略に対する政府のコミットメントを強化し、今後のマイルストーンを設定。
  • 独立した業界専門家グループ(Task & Finish Group on Critical Minerals Resilience for UK Industry)を立ち上げ、英国産業セクター全体の重要鉱物の依存関係と脆弱性、及び産業がサプライチェーンの強靱性を促進する機会を調査。2023年末に報告書を発表予定。
  • 政府は、カナダや南アとのパートナーシップや、MSP(Minerals Security Partnership:鉱物安全保障パートナーシップ)、IEA(International Energy Agency:国際エネルギー機関)、G7を通じた関与など、国際的パートナーとの重要鉱物に関する協力を加速させている。
  • 英国のレアアースサプライチェーンの強靱性を高め、循環経済の促進に焦点を当てるため、UK Research and InnovationのCircular Critical Materials Supply Chains(CLIMATES)ファンドを当初15m£で開始。
  • Ayrton Fund(発展途上国でのエネルギートランジション促進に向けたR&D・実証支援のための1b£の基金)のコミットメントを通してClean Energy Innovation Facility(CEIF)の下に設けられる65.5m£のAccelerate-to-Demonstrate(A2D)ファシリティでは、発展途上国における重要鉱物の技術革新への支援を柱とする。

 また、戦略実現に向けたマイルストーンとして、(1)重要鉱物インテリジェンスセンター(CMIC)による航空宇宙・防衛や水素技術セクターで必要となる重要鉱物の調査(2023年前半)や重要鉱物のクリティカリティの評価(2023年内)、国内地質データ(2023年春)や採掘ポテンシャル評価(2023年前半)、(2)環境・食糧・農村地域省(Defra)による電気電子機器廃棄物(WEEE)に係る規制コンサルテーション(2023年内)、(3)政府による国内重要鉱物採掘のための外国直接投資提案(2023年内)や「サプライチェーン・輸入に係る戦略」の公表(2023年後半)等を推進していく。なお、DBTは、今後とも重要鉱物戦略及び今回のマイルストーンの推進に努め、2024年に進捗状況を報告するとしている。

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