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インドネシア:APNI、低品位ニッケル用製錬所の不足を改めて懸念
2023年3月7日付け現地メディアによると、インドネシアニッケル鉱業者協会(APNI)は、低品位ニッケル鉱石(リモナイト)を処理する湿式製錬所の不足と、高品位ニッケル鉱石(サプロライト)を処理するロータリーキルン電気炉(RKEF)ニッケル製錬所の過剰な生産能力拡張に対する懸念を改めて表明した。同月6日、APNIのMeidy K. Lengkey事務局長が述べたところによると、高品位ニッケル鉱石をステンレス鋼産業用のNPIやフェロニッケルに加工する乾式製錬所の大規模な生産能力拡張によって、インドネシア国内の限られた高品位ニッケル鉱石の埋蔵量が急速に減少している。なお、国内のニッケル埋蔵量の内、70%が低品位鉱石、30%が高品位鉱石である。
Meidy事務局長によると、現在、国内では41基の乾式製錬所が稼働しており、さらに28基のプロジェクトが建設中、57基が計画中である。全てが完成すれば、サプロライトの総需要は413.78百万t/年になると推定される。
他方、現在国内で稼働している湿式製錬所は4基のみで、建設中が5基、計画中が1基である。完成すれば、リモナイトの総需要量は合わせて50.56百万t/年になる。
インドネシア政府は過去2年間、高品位鉱石をNPIやフェロニッケルに加工するRKEF製錬所への新規投資を停止し、電動自動車(EV)用電池の材料を生産する湿式製錬所への新規投資を促進することを検討してきた。
インドネシア製精錬事業者協会(AP3I)のHaykal Hubeis事務局長は、RKEFニッケル製錬所の新規開発を止めることは、インドネシアの鉱業下流産業における投資環境全体を損なうと懸念している。


