米：AK州Pebble銅・金・モリブデンプロジェクト、陸軍工兵隊に対し否定的RODを差し戻す決定

　2023年5月1日付けの加Northern Dynasty Minerals社のプレスリリースによると、2020年に米陸軍工兵隊（USACE）のPacific Ocean支部が発行したAK州Pebble銅・金・モリブデンプロジェクトに対する否定的な決定記録（ROD）を、USACEのAlaska支部に差し戻す決定が2023年4月25日に下され、同RODを不服とするNorthern Dynasty社の控訴請求が認められた。
　今回の決定では、Alaska支部は包括的緩和計画（CMP）に関する詳細なフィードバックと、最終化するための十分な時間をNorthern Dynasty社に対し提供すべきと記されている。またCMPが直接的・間接的影響を適切に緩和できると判断された場合、新たな公益レビュー（PIR）の分析が必要とされた。Northern Dynasty社CEOは、CMP最終化のための十分な指示やフィードバック、時間がUSACEより与えられなかったと主張する。また必要要件を満たすCMPを新たに策定できれば、「適切な影響緩和計画が欠落している」という以前の判断事由がなくなることから、同プロジェクトのPIRや水質浄化法（CWA）の遵守に対する判断にも影響が出てくる可能性があると述べている。
　さらに最終環境影響調査（FEIS）では、廃滓貯蔵施設の設計において予見可能な故障リスクはないと判断されたものの、USACEが同施設の故障による壊滅的影響を理由に否定的RODの発行したことは誤りである、と今回の決定の中で指摘された。