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ニュース・フラッシュ

鉱種:
アルミニウム/ボーキサイト
2023年5月9日 ジャカルタ 白鳥智裕

インドネシア:2024年5月までの銅精鉱の輸出を許可、ボーキサイトは予定どおり2023年6月に輸出禁止

 2023年4月28日付け現地メディアによると、インドネシア政府は、PT Freeport Indonesia(PTFI)とPT Amman Mineral Nusa Tenggara(AMNT)について、2024年5月までの銅精鉱の輸出継続を許可することを決定した。Arifin Tasrifエネルギー鉱物資源大臣が2023年4月28日に述べたところによると、PTFIの銅製錬所が2024年5月に操業を開始することから、その時まで銅精鉱の輸出を継続する許可が与えられた。PTFIは、2023年3月に2023年6月10日までの銅精鉱2,300千tの輸出が許可されていた。
 Papua州でGrasberg銅・金鉱山を操業するPTFIは、東Java州Gresikで、1,700千t/年の銅精鉱投入能力を持つ銅製錬所を建設中である。同社によれば、製錬所は2023年末に完了し、2024年5月に商業運転を開始する。
 また、PT AMNTは、西Nusa Tenggara州Batu Hijau銅・金鉱山を操業しているが、同社もまた同州Sumbawaで900千t/年の銅精鉱投入能力を持つ銅製錬所を建設中であり、2024年7月に完成、商業生産を2024年12月に開始する計画である。
 現地メディアによると、PT AMNTのRachmat Makkasau社長は、銅精鉱輸出禁止の緩和措置という政府の決定を歓迎すると同時に、2024年5月までに間に合うよう銅製錬所の建設を急ぎたいとコメントしている。
 2020年に改正した金属・石炭鉱物法によれば、銅精鉱を含む未精製の鉱産物の輸出は2023年6月10日まで認められているが、Arifinエネルギー鉱物資源大臣によれば、PTFIの銅製錬所のプロジェクト等は、COVID-19の影響によって遅延したことから、輸出禁止政策を緩和することとしたという。
 他方で、2023年6月からのボーキサイトの輸出禁止については、予定どおりに進めるとしている。その理由についてArifinエネルギー鉱物資源大臣は、2つの銅製錬所の建設は進捗率が61%と順調であるのに対して、現在建設が進められている8つのアルミナ製錬所プロジェクトは、ほとんど進捗が見られないからとした。また以前、PT Aneka Tambang(Antam)のNico Kanter社長は、政府には一貫性がなければならない、輸出禁止政策を突然緩和すれば、(国内の)製錬所への投資は遅れるとコメントしている。
 なおGTAによると、インドネシアからの2022年の銅精鉱輸出先は、日本(761千t)、韓国(597千t)、中国(530千t)、ボーキサイトの輸出先は、中国(530千t)であった。

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