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ミャンマー:Wa州、2023年8月からの錫採掘停止を発表
2023年4月17日付け国際錫協会(ITA)の発表によると、ミャンマーWa州は、2023年8月1日から同州での鉱業活動を停止すると発表した。ITAは、世界の錫精鉱の供給の約10%に相当すると推定している。
ITAによると、Wa州中央経済計画委員会から発表された文書には、「Wa州に既存の鉱物資源をタイムリーに保護するため、成熟した鉱業条件が整うまで、全ての鉱業と鉱物資源の掘削を停止する」と記載されている。
ITAによると、Wa州はミャンマーの主要な錫鉱区であり、世界最大の錫精錬国である中国向けの精鉱の大部分を供給する。2022年、中国の錫精鉱の輸入元の約3分の2はミャンマーからで、合計48千tであった。その内40千tはミャンマー鉱山からで、70%がWa州産出のものと推定され、8千tは2022年初頭の錫価格高騰の際にWa州政府が備蓄したものである。
ITAの見解によれば、Wa州の措置は、同州内での鉱業活動を正式なものにするためであり、鉱業条件が整うまでは錫の供給制限がなされる可能性があると予想、既存のライセンスを保有する鉱山は、新たな条件が整うまで3か月かかるとする。また、今のところ錫精鉱の供給に直接的な影響はないとするが、今後のWa州の計画等については不明とした。
2023年4月18日付けのメディアによれば、中国・雲南錫業集団有限公司のコメントとして、ミャンマーでの採掘停止は、錫の世界的な供給のさらなる逼迫につながる可能性があるとした。同社は、国内の原材料供給を注意深く監視し、タイムリーな調整を行うとしている。
