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ウクライナ:国営チタン採掘企業UMCC社の経営が悪化
2023年5月10日付け報道によると、国営チタン採掘企業UMCC(United Mining and Chemical Company)社は、2023年第1四半期に前年同期比2倍の営業損失を計上した。同年第2四半期には更に損益を悪化させる可能性があり、2023年12月に予定される民営化が危ぶまれている。
これまで、UMCC社は国営企業の中では最も収益性が高いとみなされ、150~600mUAH(ウクライナ・フリヴニャ)/年の利益を生んできた。ところが、2021年第1四半期には約924mUAHだった同社の収益は、2022年同期に313mUAHに落ち、更に2023年同期には208mUAHまで下落した。純利益は、2021年第1四半期には174mUAHの黒字だった。しかし、2022年同期には52mUAHの赤字となり、2023年同期は106mUAHと赤字が拡大した。
ウクライナ侵攻による影響は2023年より2022年のほうが厳しかったが、2023年4~5月の生産は前年同期の30%にまで低下している。傘下のチタン鉱山2社の状況が厳しく、Irshansky GOKは2022年10月から生産を停止、Volnogorsky GOKは2023年4月の稼働日が10日しかなく、翌月も同様の状況になると予想される。生産が進まない一方、経費の支出は続いているため、運転資金に余裕がない状況になっている。現状、回復の見通しはない。
現在、ウクライナでチタン鉱石を採掘している企業は次のとおり:
- UMCC社(採掘の実施はIrshansky GOKとVolonogorsky GOK)
- Mezhdurechensky GOK(旧Group DF社傘下でウクライナ政府の管理下にある)
- Valki-Ilmenit社(旧Group DF社傘下でウクライナ政府の管理下にある)
- Velta社(Birzulivsky GOK)