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ニュース・フラッシュ

鉱種:
リチウム
2023年5月25日 バンクーバー 武市知子

米・加:米Ford社、EVバッテリー用リチウム調達のため5社と契約を締結

 2023年5月22日付のプレスリリースや報道によると、米Ford Motor社はリチウムを調達するため、米Albemarle社、チリSQM社、加Nemaska Lithium社、米Compass Minerals社及び米Energysource Minerals社の5社と長期契約を結ぶことで合意した。
 詳細が発表されている契約内容は以下の通りである。

  • 米Albemarle社:2026年から2030年までの5年間で、約3百万台分の電気自動車(EV)に相当する、バッテリー品位の水酸化リチウム100千t以上をFord社に供給する。米国内、もしくは米国と自由貿易協定を結んでいる国で生産される水酸化リチウムが供給される。またFord社とAlbemarle社は、リチウムイオン電池をリサイクルするクローズドループ型のソリューションの開発において、協力関係を模索する。
  • 加Nemaska Lithium社:11年間に亘る長期契約を締結、最大13千t/年の水酸化リチウムをFord社に供給する。QC州Bécancourにおいて水酸化リチウムの生産が開始される前は、QC州Whabouchiリチウムプロジェクト(2025年商業生産開始予定)で生産予定のスポジュメン精鉱を供給する。なおNemaska社にとってFord社は初の顧客となる。
  • 米Compass Minerals社:UT州Ogdenリチウムかん水プロジェクトの生産開始後、フェーズ1で生産されるバッテリー品位の炭酸リチウムの内、最大40%を5年間に亘りFord社に供給する。フェーズ1は2025年に開始予定で、LCE換算で11千tの炭酸リチウムが、フル稼働後の年間商業生産量は35千tの生産が見込まれている。

 Ford社CEOはBloomberg Televisionのインタビューの中で、加工事業の約80%は中国で行われていることから、制約を受けるのは採掘事業ではなく特にリチウムとニッケルの加工プロセスとした。そのため加工事業を現地で行うことは、コストと政治的要因をコントロールするうえで最も重要な要素との見方を示している。

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