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DRコンゴ:鉱業を巡る紛争のなか、中国とDRコンゴの大統領が北京で会談
2023年5月29日付けメディアによると、中国の習近平国家主席は、DRコンゴのFelix Tshisekedi大統領と同月26日に北京で会談した。両国は数10bUS$規模の貿易に相当するパートナーシップの再開を模索している。中国国営放送CCTVによれば、両国は、鉱業における協力関係を定期的に見直し、「友好的な交渉」を通じて関連する紛争に対処することに合意した。また、二国間関係を包括的な戦略的協力パートナーシップに格上げすることも発表された。DRコンゴは、コバルトの世界最大の生産国であり、銅の最も豊富な供給源の1つである。DRコンゴの鉱物資源の多くが中国に供給されており、China Railway Group、中China Molybdenum(CMOC)グループ、中Zijin Mining(紫金鉱業集団)グループ等の中国企業が主要なプレーヤーである。
DRコンゴは2008年に中国と6.2bUS$のインフラのための鉱物資源契約を締結しており、この契約では、中国企業は3.2bUS$規模の銅及びコバルトのSicomines事業から調達した資金で3bUS$相当のインフラを建設することになっていた。Tshisekedi大統領の広報担当ディレクターErik Nyindu Kibambe氏によれば、本契約に関する再交渉が順調に進んでおり、年内に完了する見通しである。
共同声明において、中国は企業に対し、既に合意したインフラプロジェクトの加速を促すとともに、DRコンゴにおける電池のバリューチェーン開発への投資を促す方針を示した。両国はまた、農業、炭化水素、保健、防衛、安全保障分野で協力を拡大する。Nyindu氏によると、DRコンゴは隣国ルワンダが反政府勢力を支援していると非難しており、同国への働きかけを要請したと述べた。DRコンゴはまた、国有鉱山会社Gecaminesとの合弁会社であるTenke Fungurume銅・コバルト鉱山のロイヤルティ支払い等についてCMOCグループと最終交渉を行っており、Gecaminesの関係者も同行している。Nyindu氏によると、Tshisekedi大統領は2023年年末までに習近平国家主席をDRコンゴに招待する意向である。
