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ブラジル:英Appian Capital Advisory社、ニッケル及び銅・金鉱山を英ACG社に売却
2023年6月13日付け地元メディアは、英Appian Capital Advisory社(鉱山および鉱山関連企業に投資する投資顧問会社)が、自社が保有するAtlantic Nickel鉱山(Bahia州)とMineração Vale Verde(MVV)銅・金鉱山(Alagoas州)を英ACG Acquisition Company社に1bUS$で売却するとともに、MVV銅・金鉱山で保有する金のロイヤルティを65mUS$でACG社に売却したと報じた。Appian社のファンドは、世界最大級の露天掘りニッケル硫化鉱山のSanta Rita鉱山を所有するAtlantic Nickel(旧Mirabela Nickel)社を2018年に破産状態から買収し、また同年、グリーンフィールド露天掘りの銅・金資産を保有するMVV社を買収し、その後、Atlantic Nickel鉱山の再稼働とMVV銅・金鉱山の試運転に成功している。両鉱山は世界中のニッケル・銅生産者の中で、長寿命、低コストで、低い二酸化炭素排出量で上位にランクされている。
今回の取引は2023年7月に完了する予定で、取引完了後、ACG社はACG Electric Metalsに社名を変更し、LMEに上場されている会社としては唯一の純粋な電気金属を扱う硫化ニッケル生産会社となり、欧米の大手OEM(Original Equipment Manufacturers)へ重要金属を納入していくとみられている。ACG社によると、今回の買収に際し、スイスGlencoreがアンカー投資家として100mUS$を出資しACG社のオフテイカーとなり、ACG社の硫化ニッケル精鉱をGlencoreの西欧および北米の製錬所に供給していく。その他、独Volkswagen社の100%子会社であるバッテリーメーカーPowerCo社はAtlantic Nickel鉱山で生産される精鉱の一部に含まれるトン数と同等のニッケル単位に対して、ACG社に100mUS$を前払いする拘束力のある契約を締結した。蘭StellantisグループはACG社に100mUS$のアンカーエクイティ投資を行うと約束した。この両者はAtlantic Nickel鉱山で生産される精鉱から精製されるニッケルのオフテイク契約を通じて長期的なパートナーとなる。大手鉱山投資ファンドのLa Mancha Resource Capital FundはACG社に対して100mUS$のアンカーエクイティ投資を行うことを表明、さらにRoyal Gold社からのロイヤルティファイナンスや米Citigroup、蘭ING Group、仏Societe Generale社が残り資金を引き受け、ACG社も株式公開により300mUS$の資金獲得を計画し、Appian社のファンドもエクイティファイナンスのうち最大50mUS$までの支援を申し出ている。これらの戦略的パートナーシップにより、ACG Electric Metals社は、欧米のEVバリューチェーンにおいて最高クラスのESG(環境・社会・ガバナンス)特性を持ち、CO2排出量を最小限に抑えた重要な金属を供給する一流のサプライヤーとなることを目指していくという。
