インドネシア：IMF、鉱石禁輸の廃止を要求

　2023年6月29日付け現地メディア等によると、国際通貨基金（IMF）は2023年6月25日に公表したインドネシアに関する報告書の中で、ニッケル等の原材料に関連する下流産業の強化に注力し、輸出の付加価値を高め、海外からの直接投資を誘致し、技能や技術の移転を促進するという同国の野心的な取り組みを歓迎すると評価した。他方で、さらなる費用と利益の分析が必要であり、他国にもたらす影響を最小限にする必要があると指摘、これらの点を踏まえて、商品の輸出禁止政策は段階的に廃止されるべきであり、輸出禁止の対象を他の商品に拡大すべきではないと要求した。
　これに対して、Airlangga経済調整大臣は同月25日、国・国際機関が他国の禁輸を規制することは現代の植民地主義の一形態であるとし、一次産品の輸出を制限するという考えに反対する国や国際機関は付加価値の必要性を理解していないと述べた。また、Bahlil投資大臣は同月30日、IMFに対して「一方では産業化を支持しながら、他方で鉱物の輸出禁止に反対するのはダブルスタンダードだ」として反発した。
　インドネシアは、2020年1月から未加工のニッケル鉱石を輸出禁止、2023年6月10日からボーキサイトの輸出を禁止している。