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ニュース・フラッシュ

鉱種:
チタン イルメナイト
2023年8月9日 金属企画部 長原正人

ロシア:国内のチタン生産・消費の状況

 2023年7月14日付け報道によると、同年5月末の第20回CISチタン会議において、CISチタン協会のAlexandrov総裁がロシア国内におけるチタンの生産と消費の状況を明らかにした。
・チタン生産能力と生産実績
スポンジチタン生産能力
 PJSC VSMPO-AVISMA(VSMPO-AVISMA)社
  生産能力44千t/年 2022年生産実績34.5千t
 Solikamsk Magnesium Works OJSC(SMZ)
  生産能力2.5千t/年 2022年生産実績1.5千t
スポンジチタン生産実績(2022年)
 VSMPO-Avisma社 34.5千t
 SMZ社 1.5千t
・チタンインゴット生産能力(溶解能力)
 VSMPO-AVISMA社 72千t/年
 Chepetsky Mechanical Plant(CMP)社 5千t/年
 CMK社 2千t/年
 Ruspolymet社 2千t/年
・生産に対する戦争影響
 原料として使用していたウクライナ産イルメナイトが入手できなくなり、輸送費がかさむ遠方からの輸入に依存する。輸送費増大により原価が上昇している。
 VSMPO-AVISMA社はスポンジチタンを内製するが、CMK社、CMP社、Zavod vakuumnoy metallurgii(ZVM)社にとっては、スポンジチタンの確保も課題である。
・販売に対する制裁の影響
 ロシアの供給していた航空機用合金チタンは、欧米企業でも生産可能である。世界の主要航空機メーカーの意向により、これらロシアの競合先はVSMPO-AVISMA社を代替するだろう。時間がかかるものの、コロナにおける航空機生産減の間に蓄積された在庫を利用しつつ、欧米のメーカーは航空機メーカーの認定を取得する可能性が高い。
・ロシア国内市場
 2022年のロシアのチタン消費量は13千tであった。航空宇宙産業をはじめとする工業分野で使用されている。航空宇宙産業での消費量は5千tであった。航空機関連のプロジェクトが予定どおり進むと、今後10年間で計40千t以上の消費が見込まれる。
 化学工業、金属産業、石油化学産業で使用してきた機器の輸入が困難になり、輸入代替が必要となっている。ソ連時代には、ソ連で生産されたチタン圧延材の総量の12%がこれらの産業に供給されていた。ロシアのチタン産業にとっては大きな機会だが、ロシアは価格の安い輸入品の工業用純チタン(CPチタン)に頼るようになっている。制裁前にはVSMPO-AVISMA社は米Allegheny Technologies Inc.社から輸入していた。また、2000年に400tであった中国からのCPチタン輸入量は、2022年に900tまで増加した。

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