EU：中国の輸出規制を受け、亜鉛・アルミ精錬業者にガリウムの生産検討を要請

　2023年7月14日付けのメディア情報によると、EUは、ガリウム、ゲルマニウムに係る中国の輸出規制を受け、アルミニウムと亜鉛の精錬業者に対し、半導体製造に必要な主要金属の生産について調査を行うよう緊急要請している。EUはガリウムの71％、ゲルマニウムの45％を中国から調達しているが、中国以外でチップ製造や太陽電池、光ファイバーに使われる高純度金属を生産できる企業は欧州でもほんの一握りしかない。
　EUは、ギリシャのアルミ生産会社Mytilineos Energy&Metalsに対し、ボーキサイトをアルミニウムの原料であるアルミナに変える同社のAgios Nikolaos精錬所において、副産物としてガリウムの生産を検討するよう要請した。同社のKeramidas EU問題担当役員は、欧州の金属セクターの経営は厳しい状況にあり、政府の支援なしにガリウムの生産に数十m€を投資するのは困難な状況にあることを踏まえ、「EUからの増産要請には応じられるが、最終的にはアルミナ精錬業者の半分が倒産するだろう。条件にあまりにも問題があるため主力製品を競争力をもって生産できない場合、副産物であるガリウムに投資するのはばかげているかもしれない」と述べている。