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2023年10月12日 リマ 初谷和則

ペルー:米国、ペルーのインフラにおける中国のプレゼンス増大に懸念表明

 2023年10月4~6日付け現地報道によると、英現地紙は、米国政府がペルーの主要インフラにおける中国の権益増大に懸念を表明していると報じた。
 先にペルー政府高官を訪問したDodd米州特別顧問やRichardson南方軍司令官は、近年中南米域では中国によるエネルギー、鉱物、港湾等の資本への投資が拡大傾向にあるが、特にペルーでの投資規模や戦略的ポジションは懸念を生んでいると表明した。
 また2020年の中国長江電力(Three Gorges Corporation)による電力会社Luz del Sur社の買収に加えて、現在ペルー当局が審査中の中国南方電力網(China Southern Power Grid)によるEnel社の配電事業買収が実現した場合、Lima首都圏の全電力供給が中国政府の管理下に置かれるとして警戒感を表明した。
 さらに中遠海運港口(Cosco Shipping)が参画するChancay港湾事業では、将来的に世界最大級の大型船舶の入港が可能となり、ペルーの海上交通量がエクアドル、チリ、コロンビアを抜く可能性がある一方、中国による軍事利用が懸念されると述べた上で、中南米諸国政府は、米国の対米外国投資委員会(CIFIUS)をモデルとして、戦略的セクターにおける対内外国投資を国防の視点から分析する委員会を設置することが推奨されるとコメントした。
 新Chancay港湾ターミナルでは、2024年に習近平国家主席がAPEC出席によるペルー訪問の際、第1フェーズ開港式を行う予定である。Song Yang駐ペルー中国大使は、中国・ペルーの二国間関係にとって本プロジェクトは重要でありChancayはペルーの上海となることが期待されていると述べている。
 Perez-Rayas運輸通信大臣は、中国と米国は共にペルーにとって最大の貿易相手国だとし、ペルーの主権を尊重し、気候変動リスク低減やDXに裨益する投資は歓迎されると述べた。
 中国にとってペルーは重要な鉱物資源供給国であり、銅の輸入額は14bUS$/年にのぼる。一方米国政府や専門家らは、中国が互恵関係をベースに中南米で展開する港湾や5G通信網、宇宙観測施設等のインフラ投資を、地政学的な覇権拡大の試みと捉えている。
 また中国が目指すのは自国の経済的利益に好都合な世界の再構築であり、そのような戦略において港湾インフラは最も重要であるとしたほか、特にChancay港は中国の軍事利用にとって十分な米国からの距離と規模、水深を持つ港だと指摘している。

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