閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
その他
2023年10月31日 バンクーバー 武市知子

加:連邦政府、影響評価法(IAA)の暫定ガイダンスを発表

 2023年10月26日付けのプレスリリースによると、連邦の影響評価法(IAA:Impact Assessment Act)が州の管轄権を侵害しているという連邦最高裁の判断を受け、Guilbeault連邦環境・気候変動相はIAAの暫定ガイダンスを発表した。カナダ国憲法に沿うように改定作業が進められる間、現在申請が行われているプロジェクトに対して秩序ある明確な道筋をつけることを目的にしているという。
 主な暫定ガイダンスの内容は以下のとおり:

  • カナダ影響評価庁(Impact Assessment Agency of Canada:IAAC)は、現在審査が行われている全プロジェクトを評価し、連邦の管轄権に影響を与えるか意見を表明する
  • 評価を進めるために、事業主に対し引き続き情報を共有するよう求める
  • 連邦の管轄権である「先住民」と明らかに関係していることから、既存の評価プロセスを通じて先住民との協議を継続する
  • ・連邦環境・気候変動相の裁量により、主要エネルギー・採掘プロジェクトを「指定プロジェクト」(designated projects)としてIAAの審査を一時停止する
  • IAAを改正してから、「指定プロジェクト」の検討を再開する
  • IAACは今後も事業主に対して影響評価を行うことの正当性に関する意見を提供し、評価プロセスへの協力を求めることができるよう準備を行う
  • ON州Ring of Fire地域のプロジェクトと、NS州及びNB州における洋上風力発電プロジェクトの3件に関しては、プロジェクトの承認ではなく地域への影響の理解を目的としていることから、地域に対する評価プロセスを継続する

 現地報道によると、連邦政府は改正後の規制において、先住民族の権利に関する国際連合宣言(UNDRIP)との一貫性を保ち、先住民族の関与と参画を規定すると述べている。また連邦と州の管轄権を認識して事業主等に対して確実性を確保し、州との協力関係を構築する「強固な協力ツール」を特徴とさせるという。
 2023年10月の最高裁の判断が出されるまで、特定の事業が行われるプロジェクトはIAACが審査を行っていた。またプロジェクトが野生生物や先住民の伝統的領土を含む、連邦の管轄権に影響を及ぼす可能性があると判断した場合、環境・気候変動相はIAACを審査プロセスに参画させる裁量権を有していた。この裁量権は、2019年にIAAが採択されて以来、AB州とBC州の炭鉱プロジェクト、ON州Ring of Fire鉱山プロジェクトを含む5回に亘り行使されている。なおIAA改定に関するタイムラインは明らかにされていない。(2023年10月17日付 ニュース・フラッシュ:連邦最高裁、連邦の影響評価法(IAA)を違憲との判断参照)

ページトップへ