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2023年11月6日 バンクーバー 武市知子

加:連邦政府、1.5bC$の重要鉱物インフラ基金を開始

 2023年10月31日付けのプレスリリースによると、Wilkinson連邦エネルギー・天然資源相は「重要鉱物インフラ基金」(Critical Minerals Infrastructure Fund)への第1回目のプロポーザルの受付を2023年晩秋に開始することを発表した。カナダでは重要鉱物の鉱床は遠隔地にあることが多く、道路や送電網などのインフラへのアクセスが限られていることから、重要鉱物の持続可能な生産を可能にし、鉱物資源を市場へと繋ぐために重要となるインフラ問題に対処することを目的とする。同ファンドでは7年間に亘り、最大1.5bC$を以下の分野で拠出する予定である。

  • 再生可能エネルギー及び代替エネルギーの発電や貯蔵、送電など、重要鉱物を開発しながら環境パフォーマンスを高めることができるクリーンエネルギー・プロジェクトへの支援
  • 重要鉱物資源の開発や拡大の実現可能性に直接的に影響する道路や鉄道、海上輸送などの輸送プロジェクトへの支援

 同資金は2つの方策を通じて拠出される。一つ目は鉱山用地への支援を目的とした「建設前とプロジェクト開発」(Preconstruction and Project Development)で、プランニングや調査、先住民グループとのエンゲージメントなど、プロジェクトの土地で作業を開始するのに必要な建設前の事業に資金を拠出する。2つ目の「インフラ開発」(Infrastructure Deployment)ではインフラの建設、修復、強化など、すぐに実施できる事業に資金を拠出する。
 資金拠出を決定するうえでは、環境や経済、先住民との和解を念頭に、提案されたプロジェクトのフィージビリティやカナダの重要鉱物生産を支援する可能性が考慮される。
 重要鉱物インフラ基金の第一回目の募集では、必要な規制当局からの許認可を全て確保していて作業を開始できるプロジェクトと、将来的に作業を開始できる建設前のプロジェクトを対象とする。州や準州政府、また公益事業や民間企業、非営利組織、先住民グループ等が受給資格を有する。多くのプロジェクトの支給額は最大50mC$だが、州・準州政府による公的プロジェクトに対しては最大100mC$を予定している。また全支出総額の最大50%を拠出するが、北極圏や北部、先住民主導のプロジェクトでは最大75%、官民パートナーシップでは最大33%となっている。多くのプロジェクトでは返済不要だが、先住民以外の事業で直接的な利益を創出できる場合は、条件付きで返済される。さらに重要鉱物インフラ基金関連のインフラ・プロジェクトの開発と実施に従事する先住民グループや組織を支援するための助成金も提供する予定である。
 同基金は2022年12月に発表されたカナダ重要鉱物戦略(Canadian Critical Minerals Strategy)の重要な要素である。また鉱業の脱炭素化や輸送インフラを通じたサプライチェーンの強化、インフラや重要鉱物プロジェクトにおける先住民族の参画支援を通じた経済的な和解の促進といった、戦略的な優先事項をサポートする(2022年12月14日付 ニュース・フラッシュ:連邦政府が重要鉱物戦略を発表参照)。
 2022年に連邦政府は持続可能な雇用創出と経済成長の機会の特定及び優先度の設定を目的に、州・準州との共同イニシアチブである地域エネルギー・資源テーブル(Regional Energy and Resource Tables)を立ち上げている。同委員会を通じて、重要鉱物は州・準州政府が優先的に取り組むべき分野として特定されており、州・準州政府は同委員会において、重要鉱物インフラ基金の支援を受けられるよう、重要性の高い重要鉱物インフラ・プロジェクトを強調することができる。

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