パナマ：新規鉱業コンセッション発給を禁止する法律を制定

　2023年11月3日、パナマ議会は「全国土における金属鉱業の探査、抽出、輸送、および採掘の利益のためのコンセッション付与を禁止する法案第1110号」を可決、Laurentino Cortizo大統領の署名をもって法律第1110号が制定された。同法では、貿易産業省（MICI）はいかなる譲歩も与えることができないとされているほか、現在手続き中の申請についても却下されると定められている。なお、加First Quantum Minerals社の現地法人Minera Panamá社とパナマ政府が合意したCobre Panamá銅鉱山の鉱業コンセッション契約に係る新契約書を撤回するとした条項は破棄されたため、これに関する違憲性は最高裁判所の判決に委ねられることとなった。
　パナマ全土では大規模かつ激しい抗議活動が継続しており、同国は投資家の信頼と将来の民間投資が損なわれるリスクに直面している。S&P Global Market Intelligence社は、法律第1110号の撤回はさらなる社会不安を引き起こす可能性があることから、2024年5月の総選挙の結果にかかわらず、新政権が1年以内に方針を転換する可能性は低いとの見方を示している。
　First Quantum社の2023年11月3日付けプレスリリースによれば、サイトでは抗議活動や道路封鎖により物資の供給不足が生じてはいるものの、採掘活動は継続されているとのことである。