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ニュース・フラッシュ

鉱種:
2023年11月15日 リマ 初谷和則

ペルー:加Pan American Silver社、操業鉱山の状況について報告

 2023年11月9日付け現地報道によると、ペルー鉱業技師協会(IIMP)で講演した加Pan American Silver社のPinto操業部長は、ペルー国内の3件の操業鉱山について以下報告した。
 まずHuaron金・銀鉱山(Pasco州)に関しては、現在400mの深さに達しており、鉱石の30%は250mの竪坑から、70%はトラックによる搬出を行っていると報告した。また選鉱処理量は3千t/日、銀生産量は3.8百万oz/年(118t)が見込まれる一方、鉱脈の構造上(75~80°の傾斜)採鉱プロセスが容易ではないことから、特にリスク管理を重視して活動していると説明した。
 La Arena金鉱山(La Libertad州)では、金回収率は86%にのぼるとし、その理由として鉱石は砂質でリーチング液が浸み込みやすく穏やかに溶出が進むためと説明した。また本鉱山では2012年に生産を開始し当初のマインライフは2021年までであったが、探鉱活動や地域社会の支援の結果、マインライフが2026年まで延長されたと述べた。また2023年の金の生産量は106千oz(3.3t)となる見通しを示したほか、資源枯渇のフェーズに入っているもののさらなる拡張に向けた探鉱活動を続けていると報告した。
 Shahuindo金鉱山(Cajamarca州)は渓谷に位置していることから、環境負荷を起こさないよう操業や廃棄物処理関連の決定には最新の注意を払っていると説明した。本鉱山は2015年に操業開始し、2023年の金生産量は142千oz(4.4t)を見込むが、2032年には現在を大幅に上回る生産量の実現を目指していると述べた。
 さらに同社は環境対策に積極的に取り組んでおり、2022年に温室効果ガスの排出量を30千t削減したほか、2030年に合計30%の削減達成を目指していると説明した。

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