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鉱種:
2023年11月30日 バンクーバー 佐藤佑美

パナマ:最高裁、Cobre Panamá銅鉱山の鉱業コンセッション契約を違憲と判断

 2023年11月28日、パナマ最高裁判所はCobre Panamá銅鉱山の鉱業コンセッションに係る新契約を定める法律第406号に対して違憲判決を下した。加First Quantum Minerals社の現地法人Minera Panamá社とパナマ政府が合意した本契約は、2023年10月20日付けで国民議会にて承認され、即日、Laurentino Cortizo大統領の署名をもって制定された。以降、当該契約に対してパナマ全土では大規模かつ激しい抗議活動が続いており、港における違法な封鎖行為等により、敷地内の発電所の操業に必要な物資の調達や銅精鉱の積み出しが妨げられていることを受けて、現在Cobre Panamá銅鉱山の商業生産は停止していると報じられている。
 新契約の下では、20年間の鉱業コンセッションに加えて20年間の延長が可能となる。また、パナマ政府は法人所得税及びロイヤルティとして約400mUS$/年の歳入を得ることが期待されていた。
 First Quantum Minerals社によれば、Cobre Panamá銅鉱山はパナマのGDPの約5%に貢献し、直接及び間接的に40千人の雇用を創出している。業界紙によれば、同鉱山は世界の銅生産量の1.5%を占めていることから、今回の判決は世界の銅マーケットに影響を及ぼす可能性がある。
 Minera Panamá社はプレスリリースの中で、法律第406号によって承認された新契約は明瞭かつ透明性のある交渉プロセスに基づくものであるとした上で、パナマ憲法を尊重し、判決内容を吟味するとしている。なお、同社は国際仲裁手続きを開始する旨をパナマ政府に対して通知済みである。

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