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2024年1月25日 バンクーバー 武市知子

加:BC州、重要鉱物戦略の第1フェーズを発表

 2024年1月22日付けのプレスリリースによると、BC州政府は同州の重要鉱物戦略(Critical Mineral Strategy)の第1フェーズを発表した。「先住民族の権利に関する国際連合宣言(UNDRIP)」の基準に沿って重要鉱物セクターを拡大し、クリーン経済を構築する。その中で、以下を含む11項目にわたる主要な計画が提示されている。

  • 重要鉱物プロジェクト推進のための事務所(Critical Minerals Project Advancement Office)を開設し、重要鉱物プロジェクトの迅速化と連邦政府からのファンディングを最大化
  • 重要鉱物に関する同州内の地図作成
  • ファースト・ネーションズ・エネルギー及び鉱業評議会(First Nations Energy and Mining Council)が策定する重要鉱物戦略との調整とともに、ファースト・ネーションズとの継続的な連携
  • ファースト・ネーションズや産業界と協力し、重要鉱物の開発と成長に不可欠なインフラの特定と推進
  • 高いESG(環境、社会、ガバナンス)基準を確保するため、Energy and Mines Digital Trustプロジェクトの発足

 さらに同戦略では、加工や製造、バッテリーのリサイクルなどの下流事業における生産機会を増やすことで、付加価値をつける新たな方法にもフォーカスする。
 今後数か月のうちに、同戦略を拡大するためのアクションプランが発表される予定で、ファースト・ネーションズによるプロジェクトへの参画支援、経済分析、ファースト・ネーションズが政策や行動を開発・改善するためのキャパシティ構築支援などが含まれる。また報道によると、同州政府は同戦略の詳細を3年以内に策定するようBC州エネルギー・鉱山・低炭素イノベーション省に命じ、6mC$の予算を付与した。
 また同州首相の発表によると、2023年のBC州探鉱費は643.5mC$で2018年に比べ94.1%増、鉱物の生産高は15.9bC$以上で2018年に比べ63.9%増が見込まれている。さらに処理できていなかった探鉱の許認可も過去数年間で52%減らすなど、許認可にかかる時間を短縮できたとしている。なおカナダではすでにQC州、ON州、SK州、MB州が重要鉱物戦略を発表している。
 だが現地報道によると、同戦略を疑問視する声が出されている。Mining Association of British Columbia(MABC)の会長兼CEOは、同戦略には競争優位性のための財政政策が欠けていると懸念、特に2024年4月にBC州で施行予定の、生産量に基づく炭素価格制度(OBPS)が採掘の障害になると指摘している。同州の鉱業・製錬部門は炭素価格を支持しているが、世界的にも同州のGHG排出量は少ないにも関わらずカナダ国内でも最も高い炭素税(ON州やQC州に比べ最大で3倍)となっている。さらにゼロ排出の運搬トラックの技術は2030年まで市場に出回らないと予想されていることから、鉱業界ではこれ以上排出量を減らすことは難しい。Association for Mineral Exploration(AME)の社長兼CEOも、同州の重要鉱物戦略の第1フェーズは正しい方向に進んでいるとしながらも、より中身のある発表があることを期待すると述べている。

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