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ニュース・フラッシュ

鉱種:
グラファイト
2024年2月5日 バンクーバー 武市知子

加:Northern Graphite社、鉱山からバッテリーまでの戦略を主導するNGC Battery Materials Groupを発足

 2024年1月31日付けのプレスリリースによると、加Northern Graphite社は、鉱山からバッテリーまでの戦略を主導するNGC Battery Materials Group(以下、NGC BMグループ)の立ち上げを発表した。このグループ発足により、同社は中国以外では数少ない、天然グラファイトを総合的に開発・生産・加工する企業の一社となる。なお同社はQC州Lac des Ilesグラファイト鉱山を保有しており、北米で唯一のグラファイト生産企業である。
 NGC BMグループは独Heraeus Groupのバッテリー部門の資産及びR&Dチームの買収により設立され、Frankfurtでフル稼働する最先端の研究所が含まれている。Northern Graphite社はHeraeusから知的財産権のライセンスが供与され、Heraeusが特許を取得し、エネルギー貯蔵の効率性と速度を向上させる高性能かつ多孔質な硬質炭素材料のPorocarb®の開発及び製造、販売を行う。Northern Graphite社がNGC BMグループを運営し、余剰生産能力をパートナー企業や他の材料開発企業に売却することで資金を調達する。Northern GraphiteはHeraeusに対し、Porocarb®の全製品の売上から2%のロイヤルティを支払う。
 NGC BMグループは炭素とバッテリー材料の電気化学的特性値の評価技術と高度な材料分析に特化し、また高温処理やスケールアップ、炭素設計の分野において高い専門知識を提供する予定である。これによりNorthern Graphite社は、EV(電気自動車)バッテリーメーカーやOEM(Original Equipment Manufacturers)が必要とする、様々なバッテリー要件を満たすオーダーメードのソリューションを提供できるようになる。
 さらにNGC BMグループは、Northern Graphite社がQC州で計画している、Baie-Comeauバッテリー用アノード材製造施設の開発を主導する。資金調達次第だが、同施設は2026年に建設を開始する予定で、200千t/年のアノード材を製造する予定である。
(2023年7月4日付 ニュース・フラッシュ:Northern Graphite社、QC州Baie-Comau港の工業地帯でバッテリー用アノード材製造施設建設用の土地購入に向けた意向書を締結参照)

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