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メキシコ:AMLO政権、露天掘り採掘コンセッション付与の禁止を含む20の憲法・法律改正案を国会に提出
2024年2月5日、Andrés Manuel López Obrador(AMLO)大統領は、露天掘り採掘コンセッション付与の禁止を含む20の憲法及び法律改正案を国会に提出した。業界紙によれば、メキシコ国内で操業中の約250鉱山のうち97が露天掘りであり、代表的な露天掘り鉱山にはPeñasquito多金属鉱山(米Newmont社)、La Herradura金・銀鉱山(墨Fresnillo社)、El Limón-Guajes金鉱山(加Torex Gold社)、Pinos Altos金鉱山(加Agnico Eagle社)等が含まれる。
AMLO大統領の命令の下、これまでも同国における新規露天掘りプロジェクトは事実上禁止されており、2022年5月に環境天然資源省(SEMARNAT)は、連邦政府が露天掘り採掘に対する環境許可付与を停止している旨を明らかにしていた(2022年5月27日付 ニュース・フラッシュ:環境天然資源省、現政権下での露天掘り開発阻止政策を認める参照)。
複数の専門家は、連邦政府の誤解が鉱業界のパフォーマンスと投資を脅かしていると非難、大半の鉱山は持続可能な方法で操業されており、鉱山から生まれる経済的利益は地域社会にとって重要なものであると主張する。
物議を醸している一連の改正案には、水の乏しい地域における水利用権の制限や電力庁(CFE)の権限強化、フラッキングによる炭化水素資源開発の禁止等も含まれる。また、AMLO政権下で進められてきた総合福祉政策の拡充に関する改正案も含まれているが、これらが実現した場合には財政状況が急激に悪化するのは必至であるとの指摘もある。
現在、与党連合は両院において過半数を維持してはいるものの、憲法改正に必要な3分の2には及ばない。しかしながら、2024年6月2日の次期大統領選挙と同時に実施される上下院選挙において与党が議席数を奪還した場合、上記の措置が実行される可能性もある。