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2024年3月13日 バンクーバー 武市知子

加:BC州政府、Gitxaała族とEhattesaht族の伝統的領土における暫定措置を発表

 2024年3月7日付のプレスリリースによると、BC州エネルギー・鉱山・低炭素イノベーション省は近代化されたBC州鉱物資源保有法(Mineral Tenure Act:MTA)が発表されるまでの間の暫定措置を発表、ファーストネーションのGitxaała族とEhattesaht族の伝統的領土における採掘事業を制限するとともに新たな許認可の発行を一時停止し、また両社の合意なしに新たな鉱区の登録を行わないこととなった。またGitxaała族もしくはEhattesaht族の伝統的領土で探鉱や採掘事業を計画する企業との間で合意に達した場合、暫定措置を修正することで同省と両民族は合意している。
 2023年9月にBC州最高裁判所は、現在の鉱区制度がGitxaała族とEhattesaht族の伝統的領土と権利に悪影響を与えると判断、また伝統的領土において鉱区の申請が行われる場合、ファースト・ネーションズとのコンサルテーションが保証されるようにBC州政府にMTAの改定を命じ、18か月の猶予期間が与えられた(2023年10月3日付 ニュース・フラッシュ:BC州最高裁、同州の鉱区申請制度は先住民族の権利を侵害しているとの判決参照)。
 だがGitxaała族とEhattesaht族はMTAが近代化されるまでは両民族は権利への影響が続くと懸念したことから、特定の鉱区権を破棄するとともに、新規の鉱区登録の阻止を求めて上告していた。今回のBC州政府による暫定措置を受け、両者は裁判所への申し立てを撤回することで合意した。
 今回の措置を受け、Gitxaała族は「先住民に関する国際連合宣言(UNDRIP)に従い、Gitxaała族の法律を尊重したMTAを制定するというBC州の公約が守られるよう、州政府や他のファースト・ネーションズと協力する準備がある」と発言、またEhattesaht族は「我々は採掘事業に反対しているわけではなく、伝統的領土で事業を行うのであれば土地と水域を保護するとともに、我々の権利と文化を尊重する方法を見つける必要がある」と話している。
 また同州政府はMTA近代化に向けた次のステップとして、2024年3月からファースト・ネーションズとのコンサルテーションや協力、また産業界や環境NGOなどの全てのステークホルダーの参画のプロセスにフォーカスすることも発表した。
 今回の暫定措置の発表を受けて鉱業団体のAssociation for Mineral Exploration(AME)は声明を発表、同団体のメンバーへの影響は最小限にとどまるとともに、影響を受ける人々に対しては州政府が迅速かつ公正に救済措置を行うよう求めるとした。また産業界は「先住民族の権利に関する宣言(DRIPA)」(BC州が2019年に制定)を尊重するとともに鉱物資源保有法の近代化に向けより重要な役割を果たすことを望んでおり、現在行われているMTA近代化の作業部会にはFirst Nations Leadership Council及びFirst Nations Energy and Mining Council、BC州政府のみが参加していることから、産業界も参加できるよう同州政府に強く訴えている。先住民の権利や利益が尊重されるべきであり、また予測可能で安定した事業環境を継続するために産業界が確実性と明確性を求めるのは妥当であるとの見解を示した。

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