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- ジスプロシウム テルビウム ウラン ネオジム プラセオジム その他 サマリウム レアアース/希土類
米:Energy Fuels社、UT州White Mesaミル分離レアアースの商業生産を開始
2024年6月10日付けのプレスリリースによると、米Energy Fuels社はUT州White Mesaミルにおいてネオジム・プラセオジム(NdPr)分離事業の商業生産を達成したことを発表した。同社が生産するNdPrは、レアアースベースの合金を製造するレアアース金属メーカーの製品仕様に適合しており、フェーズ1のレアアース分離回路では850~1千t/年のNdPrが生産される。また2024年6月末までに分離したNdPrを出荷できる見込みである。
同社は米Chemours社がFL州とGA州が生産したモナザイトからNdPrを抽出及び精製、分離している。同社によると、米国企業がモナザイトから製品仕様を満たした分離レアアースを商業生産するのは数十年ぶりだという。
同社は2021年にレアアース分離技術のパイロット操業を開始し、2022年と2023年に部分的なレアアース分離を実施、2024年Q1に予算を組んでいた25mUS$を下回る約16mUS$でレアアース分離回路の第1フェーズの建設を完了した。Q2には約25~35tの分離したNdPrを生産する予定である。また同ミルのウラン生産に支障はなく、Q3にはウラン鉱石と代替ウラン原料の処理を開始するための準備を進めている。
同社はモナザイト供給原料から含有ウランを回収しながら、サマリウムプラス(samarium-plus:Sm+)精鉱を生産する予定である。この精鉱を利用してジスプロシウム(Dy)とテルビウム(Tb)を分離するパイロット事業を継続し、これらのレアアース製品を個々に分離して生産できる回路の設計を行うことを想定している。現在、西半球にはジスプロシウムやテルビウム、その他の重希土類レアアース製品を商業生産できる企業はない。
同社はモナザイトを確保するため、2023年2月にブラジルBahiaプロジェクトの買収、2024年6月に発表された豪DonaldプロジェクトでのJV組成、そしてマダガスカルToliaraプロジェクトを保有する豪Base Resources社の買収など、複数の重砂(HMS)プロジェクトの買収もしくは買収手続きを進めている。これらを総合すると、同社は世界最大級のレアアース分離生産者になる可能性がある。早ければ2026年から、これらのプロジェクトから大量のモナザイトの供給を受ける予定である。


