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ニュース・フラッシュ

鉱種:
コバルト ニッケル
2024年6月14日 バンクーバー 武市知子

加:連邦政府、ON州北部における重要鉱物の採掘事業を支援するため10mC$を出資

 2024年6月10日付けのプレスリリースによると、Wilkinsonエネルギー・天然資源相はON州北部の重要鉱物セクターを支援するため、加Mining Innovation Rehabilitation and Applied Research(MIRARCO)社と加Electra Battery Materials社に対し、それぞれ5mC$を提供すると発表した。
 MIRARCO社に対しては、Greater Sudbury地域にあるValeとGlencoreの鉱滓から同社がニッケルやコバルト、銅などのバッテリー金属を回収する技術開発と、鉱滓に関連する長期的な社会及び環境コストの削減を目的として出資される。同プロジェクトを通じて同社はON州で大量のニッケルとコバルトの回収を行える可能性があると考えられており、バッテリーのサプライチェーンに直接供給を行う予定である。
 Electra社に対しては、バッテリー材料のリサイクルプロジェクトを進めるために出資される。同社は北米唯一のバッテリー用硫酸コバルト精錬所の建設を進めており、2023年には精錬コンプレックスにおいてバッチモードでバッテリー材料のリサイクルの実証を成功させた。今回の資金調達により、同社独自の技術が拡張可能で収益性が高く、他の場所でも実施可能であることを示すための継続的な実証を行い、プロジェクトを進める。同社のリサイクル事業では環境に配慮した新プロセスが採用されており、カナダの電気自動車(EV)用バッテリーのサプライチェーン構築に貢献する予定である(2023年3月16日付 ニュース・フラッシュ:Electra Battery Materials社、湿式精錬プロセスを用いてブラックマスからのリチウム回収に成功参照)。
 また今回の資金は、Critical Minerals Research, Development and Demonstration(CMRDD)プログラムから提供される。同プログラムは重要鉱物の処理事業における革新的技術の開発支援を目的としており、カナダ重要鉱物戦略の一部となっている。2021年度連邦予算において47.7mC$の予算が付けられ2023年3月にもプロジェクト6件への支援を発表しており、2023年9月にも2回目となる公募を完了している(2023年3月13日付 ニュース・フラッシュ:連邦政府、Critical Minerals Research, Development and Demonstration(CMRDD)における支援プログラムを発表参照)。

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