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ニュース・フラッシュ

鉱種:
亜鉛
2024年7月2日 バンクーバー 武市知子

米:内務省、AK州公有地における2施策を発表

 2024年6月28日付けのプレスリリースによると、米内務省はAK州の土地管理局(BLM)が管理する公有地における新たな2施策を発表した。
 1件目として、内務省はAmbler道路の建設を行わないという決定記録(ROD)を発行した。これはAlaska Industrial Development and Export Authority(AIDEA)がBLMの管理下にある公有地に対する通行権を有しないことを意味する。2020年に連邦地方裁判所より差し戻し原因となった環境影響調査の不備に対応するため、2022年より内務省は再調査を開始した。その結果、計画されている道路は3千以上の小川を横断することから魚やカリブーの群れなどの野生生物の個体群に影響を与える可能性があり、また30の先住民族が営む自給自足の生活が著しく影響を受けることが分かったという。
 2件目として、内務省はAK州全土に散在する約11.3百万ha(28百万ac)の公有地を保護するための最終環境影響評価書(EIS)を発行した。前政権はこれらの公有地を鉱業や石油・ガスの生産のために開放する決定を行っていたが、先住民族や一般市民との全面的なコンサルテーションを行うため決定は保留された。今回、狩猟や漁業などを行う44~117のコミュニティや野生動物、植生、永久凍土に影響を与える可能性が高いと判断された。EIS発行後、30日以内にRODも発行される予定である。
 現地メディアによると、今回の決定は加Trilogy Metals社と豪South32社がJVを組成しているUpper Kobuk Mineral銅・亜鉛プロジェクトの開発に影響するという。

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