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ニュース・フラッシュ

鉱種:
リチウム
2024年7月17日 バンクーバー 武市知子

米:International Battery Metals社、UT州でモジュール式DLEプラントの商業生産を開始

 2024年7月11日付けのプレスリリースによると、かん水からリチウム化合物を抽出する技術を開発する米International Battery Metals(IBAT)社はUT州で独自のモジュール式リチウム直接抽出(DLE)プラントの商業生産を開始した。同社によると、モジュール式プラントだけでリチウムが生産されるのは世界初であり、また北米初の商業用DLEプラントだとしている。
 同施設は米US Magnesium社の事業に併設しており、塩化マグネシウム-塩化リチウムのかん水から副産物として塩化リチウムを抽出してUS Magnesium社に供給している。同社のプラントの面積は約0.40ha(1ac)ほどで、IBAT社はモジュール式DLE施設にカラムを追加して生産能力を大幅に増加させる予定である。
 IBAT社のDLE技術は特許を取得しており、従来のDLEプラントでは建設から生産、市場へのリチウム供給までの期間は5~7年ほどかかるのに比べ、同社のモジュール式プラントでは約18か月だという。世界中の様々なリチウムかん水に設置可能でモジュールを追加して拡張可能な設計で、独自の結晶構造による吸着剤を使用してリチウムイオンを選択的に抽出し、バッテリー品位のリチウム生産に必要な純度の高い塩化リチウム溶液が得られる。また同技術を利用したSmackover層かん水からのリチウム回収率は97%以上が確認されており、プロセスで使用する水の最大98%をリサイクルすることで水の使用量を削減する。さらに業界でも最も低い資本コストと操業コストを達成する見込みだという。同社によると、事業拡大のため自動車メーカーを含む大企業や産油・ガス生産企業、かん水資源の資産を持つ企業と協議中だとしている。

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