閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
亜鉛 その他
2024年8月2日 リマ 初谷和則

ペルー:Boluarte大統領、独立記念日演説でTia Maria銅プロジェクト開発への全面支持等を表明

 2024年7月28日、独立記念日の国民向け演説の中でBoluarte大統領は、政府は鉱業投資が経済成長や富の創出の動力源であり社会的包摂や格差是正をもたらすことを明確に認識しており、近代的で競争力のある、社会・環境的に持続可能な合法鉱業を推進すると表明した。
 またTia Maria銅プロジェクト(Arequipa州)開発は現実であるとし、政府は本プロジェクトが農業ポテンシャルの向上、教育・保健格差の是正、商業活性化等をもたらし地元Tambo渓谷の発展に寄与することを確信しているとしたほか、本プロジェクトはペルーにおける鉱業投資の再開と、投資環境全般の構築にとって極めて重要だと表明した。一方、本プロジェクトが強行されているという主張は、鉱業が国の経済成長を強化し、本件がArequipa州に400mPEN(ソーレス)/年の鉱業ロイヤルティや鉱業Canonをもたらすことを認めたくない一部のセクターによる虚言だと述べた。
 さらに2024年上半期の成果としてAntamina銅鉱山改修プロジェクト(Ancash州)、Yumpag銀プロジェクト(Lima州)、Huancapeti鉛・亜鉛鉱山拡張プロジェクト(Ancash州)、Tantahuatay金・銀鉱山改修プロジェクト(Cajamarca州)等の許認可承認等により合計2.47bUS$の投資が実現可能となったほか、許認可手続きの簡素化を目的とするデジタル単一窓口(VUD)開設、鉱物処理量変更の上限を10%に引き上げる大統領令(DS011-2024-EM)公布、小規模・零細鉱業の状況整理や合法化プロセス完了を目的とする小規模・零細法案完成等に取り組んだと説明した。
 そして、今後はQuellaveco銅鉱山拡張プロジェクト(Moquegua州)、Corani銀プロジェクト(Puno州)、Raura亜鉛鉱山改修プロジェクト(Lima州)、Las Bambas銅鉱山Chalcobamba鉱床開発プロジェクト(Apurimac州)、Romina亜鉛・鉛プロジェクト(Lima州)における合計投資額2.02bUS$の建設開始が見込まれると述べた。
 鉱業Canonに関しては、住宅建設プロジェクトにおける活用に取り組んでおり、これまでに州政府や自治体との間で本財源による2,927件の住宅建設への融資を目的とする11件の合意書を締結した旨明らかにした。
 違法鉱業に関しては、麻薬取引を上回る国内最大の違法な経済活動であり、ペルーから輸出される金の25%が違法採掘に由来するほか、自然や生物多様性の破壊、脱税等の問題をもたらしていると述べた。また政府は2023年から現在まで1,200回以上の取締作戦を実施しキャンプ地や機材の破壊・押収を実施、今後も同様の作成を継続していくほか、特に先住民や自然保護エリアでは警察の人員増強等による対応を行っていると説明した。そして現在複数の政府機関の間で違法鉱業対応戦略を策定中であると述べた。

ページトップへ