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ニュース・フラッシュ

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2024年8月15日 バンクーバー 武市知子

加:ON州ファーストネーション、同州の鉱業法を違憲として提訴

 2024年8月12日付けの現地報道によると、ON州北部の6つのファーストネーションは、同州の鉱業法(Mining Act)がファーストネーションとの条約及びカナダ憲法で定められた平等権を侵害しているとして、裁判所に提訴した。現行の鉱区申請制度では探鉱者が手数料を支払うだけでファーストネーションの伝統的領土で自由に鉱区を申請できるため、ファーストネーションは探査事業において適切なコンサルテーションを受けることができないと主張している。今回の訴訟を起こしたファーストネーションは、Aroland族、Attawapiskat族、Fort Albany族、Ginoogaming族、Kitchenuhmaykoosib Inninuwug族である。
 2024年7月にもファーストネーションのAsubpeeschoseewagong Anishinabek族(通称Grassy Narrows族)は、自由な鉱区申請を認めている現行の鉱業法がカナダ憲法で保障されている先住民族の権利と「先住民に関する国際連合宣言(UNDRIP)」に反しているとして、同様の裁判を起こしている。
 BC州でもファーストネーションが鉱区申請制度をめぐり提訴し、BC州最高裁は同州の鉱区申請制度は先住民族の権利を侵害しているとの判決を下している。(2023年10月3日付 ニュース・フラッシュ:BC州最高裁、同州の鉱区申請制度は先住民族の権利を侵害しているとの判決参照)
 なお同州の鉱業法は過去にもファーストネーションから批判されており、生態学的に敏感な土地で鉱区を申請することは2009年に禁止されている。
 裁判の開始まで数年かかることもあるが、今回は法律の適用が焦点となっており事実を論じるわけではないため、裁判は早ければ1年後にも結審する可能性があると弁護団は見ている。

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