閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
コバルト ニッケル リチウム
2024年8月22日 バンクーバー 武市知子

加:加Electra社、ON州コバルト精錬所の建設と試運転のため米国防総省から20mUS$の資金援助を受ける

 2024年8月19日付けのプレスリリースによると、加Electra Battery Materials社は米国防総省から20mUS$の補助金を受けることを発表した。これは国防生産法(Defense Production Act:DPA)のTitle IIIの下で行われるもので、ウクライナ追加軍事支援予算を通じて資金が提供され、同社がON州で進める、北米で唯一の硫酸コバルト精錬所の建設と試運転を支援するものである。
 同社CEOは、国家安全保障の問題において米加両国間に国境はなく、重要鉱物の強固な北米サプライチェーンの構築に向けて米連邦政府と提携できることを誇りに思うと述べている。
 同精錬所はフル稼働した場合、電気自動車(EV)1百万台に搭載できるコバルト6.5千t/年の生産能力を有する。韓LG Energy Solution社は最初の5年間で生産量の最大80%を購入する予定で、残りの生産分の販売先ついては現在、複数の企業と話し合いが行われている。原料となるコバルトはGlencoreとルクセンブルグEurasian Resources Group社がDRコンゴで操業する鉱山から調達される予定である。またコバルトの精錬事業に加え、同社は2023年に精製コンプレックスで工場規模のブラックマス実証プラントを稼働させ、バッテリーからリチウムやニッケル、コバルト等の重要鉱物を回収した。さらに硫酸ニッケル処理施設と、QC州Bécancourでは2件目となる硫酸コバルト処理施設も計画している。
 現地報道によると、今回の資金援助は2022年にBiden米大統領が加連邦政府を訪問した際に発表されたイニシアチブの一環であり、米政府によるカナダ国内のプロジェクトへの資金提供として3件目の事例となる。

ページトップへ