ニュース・フラッシュ
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加:QC州、地元から反対されているグラファイトプロジェクトからの補助金申請を却下
2024年9月17日付け現地報道によると、QC州政府は、加Lomiko Metals社が同州Laurentians地域で進めるLa Loutreグラファイトプロジェクトからの補助金申請を却下した。Vezina QC州天然資源相は同社を支援しない理由として、同社の申請が社会的受容性に関する現在の基準を満たしていない、と声明の中で説明した。
従来、採掘予定地域の周辺住民は環境への悪影響により同プロジェクトを懸念していた。それに加えて2024年5月、同社がフレーク状グラファイトをバッテリー品位に転換するパイロット施設を支援するため、米国防総省から11.4mC$(8.4mUS$)、加連邦天然資源省から4.9mC$の補助金を受けたことが発表されたことにより、周辺住民からは採掘されるグラファイトが米国の軍事機器の使用にされる可能性がある、とさらなる懸念の声が出されていた(2024年5月20日付 ニュース・フラッシュ:米政府と共同でカナダの重要鉱物鉱床を開発するジュニア企業2社に補助金を提供参照)。
これに対しLomiko社は、今回の同州政府の決定に失望しており、また同州の重要かつ戦略的鉱物の開発計画と矛盾している、との見解を示した。また今回の結果にも関わらず、助成金と責任ある開発戦略に支えられた研究を続けるとの意思を見せている。同社は2027年までに建設を開始予定で、今後5年間でFSを実施し、同州の環境審査を受ける予定である。
同プロジェクトの周辺地域であるDuhamel市の市長は、今回の州政府の決定を歓迎している。同市長によると、観光レクリエーション産業の発展という同市の目的を損なうことから、ほとんどの住民は同プロジェクトの提案に反対しているという。またLomiko社や他の企業が同地域での開発を進めることになった場合に備えて住民投票が実施される可能性もあるという。さらに地元の実業家グループも、地域の水と森林が危険にさらされるとしてプロジェクトへの反対を表明している。
Mining Watch Canadaは、QC州の鉱業法を改正して探査許可が下りる前に住民や先住民が発言できる必要があると主張する。