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ニュース・フラッシュ

鉱種:
亜鉛 PGM(白金族) その他 コバルト タングステン ニッケル モリブデン
2024年10月2日 バンクーバー 武市知子

加:連邦政府、BC州北部とYT準州の重要鉱物のインフラプロジェクトを支援するため最大60mC$を提供

 2024年9月20日付けのプレスリリースによると、Wilkinson連邦天然資源相はBC州Golden Triangle地域とYT準州の重要鉱物のインフラプロジェクトを支援するため、連邦天然資源省の最終手続きを経た後に重要鉱物インフラ基金(Critical Minerals Infrastructure Fund:CMIF)を通じて最大60mC$出資することを発表した。
 YT準州政府は重要鉱物の開発において優先度の高いYT準州Cassiar地域とTanana地域の送電網をBC州Golden Triangle地域の送電網に接続するため、全長765kmの高圧送電線網に関するPFSを検討している。送電網の構築により、YT準州及びブBC州北部のコバルトや銅、モリブデン、ニッケル、白金族、タングステン、亜鉛などの重要鉱物プロジェクトの開発を支援できる可能性がある。同プロジェクトに最大40mC$が提供される予定である。
 加Galore Creek Mining社(米Newmont社と加Teck Resources社が折半するJV企業)はBC州Golden Triangle地域でGalore Creek銅プロジェクトを開発するため、43kmのアクセス道路の建設を計画している。このアクセス道路により計画中のミル及び処理施設と既存の道路インフラとのアクセスが確保され、また送電網の構築により同プロジェクトで排出量の低い電力が利用できる。同インフラプロジェクトに対し、最大20mC$が提供される予定である。
 なお2024年7月にもBC州北西部の重要鉱物を開発するため、CMIFを通じ同地域の高速道路インフラの整備に連邦政府が75mC$、BC州政府が120mC$と計195mC$が提供されることが発表されている。これはBC州Golden Triangle地域の銅やモリブデン、亜鉛、ニッケル、コバルトのプロジェクト開発を目的としたもので、BC州重要鉱物戦略のみならず加ファーストネーションTahltan中央政府(TCG)にとっても優先事項である。またカナダの銅埋蔵量の75%はGolden Triangle地域にあると考えられている。
 カナダでは重要鉱物の鉱床は遠隔地にあることが多く、道路や送電網などのインフラへのアクセスが限られていることから、CMIFは重要鉱物の持続可能な生産を可能にし、鉱物資源を市場へと繋ぐために重要となるインフラ問題に対処することを目的としている。また今後数ヶ月のうちに重要鉱物のインフラ整備を促進するCMIFのプロジェクトに対する将来の資金援助も決定される予定である。
関連ニュース:
2023年11月6日付 ニュース・フラッシュ:連邦政府、1.5bC$の重要鉱物インフラ基金を開始参照

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