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エルサルバドル:金属鉱業一般法が可決、約7年間に亘る金属採掘禁止に終止符
2024年12月23日、エルサルバドル議会は金属鉱物の探鉱及び採掘を可能とする金属鉱業一般法(La Ley General de Minería Metálica)を賛成57票、反対3票で可決した。今後大統領の承認をもって公布され、これにより2017年より施行されていた金属採掘の禁止が覆されることとなる。
新法では、国家が唯一、金属鉱物の探査、開発、抽出、加工する権限を持つとされ、特別に設立された機関、あるいは国家が株式を保有する企業を通じてこれらの活動を行うことができると定められている。
同国では、甚大な環境破壊が進行したことを理由に、2017年に世界初の金属鉱業禁止法が制定された。一方で、Bukele政権は鉱業推進により国家経済の強化を目指しており、今回の新法制定に至った。政府は、過去の探鉱により確認された金は約50百万oz、現価で132bUS$相当と、エルサルバドルのGDPの380%にのぼると試算している。2024年12月初旬、Bukele大統領は技術革新によって採掘活動の環境保全コストは低く抑えられると主張し、国民に対し信頼するよう呼びかけた。
なお、議会での審議中、環境保護主義者団体らが議会前にて法案の否決を要求する抗議活動を行い、すでに脆弱な同国の環境を鉱業がさらに汚染すると警告した。