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ニュース・フラッシュ

鉱種:
亜鉛
2025年2月14日 バンクーバー 武市知子

加:連邦政府とMB州政府、計79.4mC$を投資し重要鉱物貿易の世界的ハブとなることを目指す

 2025年2月4日付けのプレスリリースによると、連邦政府とMB州政府は重要鉱物の貿易において同州が世界的なハブになることを目指し、2年間に亘り合計で約79.4mC$を投資することを発表した。その内の45mC$以上は連邦政府から、また36.4mC$はMB州政府から支出される。
 連邦政府からの補助金45mC$以上のうち、43mC$以上は安全な鉄道サービスを維持するため加Arctic Gateway Group(AGG)社に提供される。AGG社は先住民族及びコミュニティが所有し、Hudson Bay鉄道とChurchill港を運営する。今回の投資により同鉄道の修復が完了し世界市場へのアクセスが拡大されるとともに、雇用の促進や先住民族の経済的リーダーシップが強化される。また連邦政府は、同州の重要鉱物の生産能力を向上させるため先住民政府及びUniversity College of the North(UCN)に2.3mC$以上を提供する。
 MB州政府からの補助金36.4mC$はAGG社が行うChurchill港の資本インフラプロジェクトに提供される。AGG社の港湾及び鉄道開発のビジョンと計画を支援し、交通の多様化と成長機会の拡大を図り、また農業や鉱業、肥料産業などからの民間投資パートナーを誘致する計画である。さらに埠頭の修復と貨物倉庫の改良も計画されている。Naylor MB州交通・インフラ大臣は、同州がコモディティや重要鉱物、天然資源を輸送する上で戦略的に有利な場所に位置しており、Churchill港の開発により北部経済が促進され、欧州との貿易拡大を支援し同州を北極圏と世界の玄関口と位置付けることで、北極圏の主権を強化できるとしている。
 AGG社CEOによると、同社は加HudBay Minerals社及びMB州とのパートナーシップを重視しており、2024年8月、AGG社とHudBay Minerals社はChurchill港経由で亜鉛精鉱10千tの欧州市場向けパイロット輸送に成功し、同港を北部貿易の重要鉱物の供給ルートとして確立させている。
 現地報道によると、連邦政府は過去6年間にわたりHudson Bay鉄道の修復や運営、維持管理やAGG社を支援するために277mC$を提供しており、AGG社CEOによると鉄道の復旧は約85%完了しているという。この鉄道はカナダ唯一の北極海深水港と北米の陸上輸送網を結ぶものだという。

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