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ニュース・フラッシュ

鉱種:
タンタル
2025年2月17日 ヨハネスブルグ 内田友理

DRコンゴ:国内の情勢不安によりタンタルの輸出に制限か

 2025年1月27日の各種報道によると、反政府武装勢力M23がDRコンゴ東部Goma(ルワンダとの国境の交易拠点)に進軍したことにより供給ルートが混乱し、DRコンゴ産及びアフリカ中央部産のタンタルの輸出が制限される可能性が高まっている。タンタルは携帯電子機器や半導体に不可欠であり、市場規模は2,500tと小さいが代替が困難な鉱物である。
 2000年代初頭は豪州がタンタル供給の主要国であったが、2008年の金融危機後、DRコンゴを含む中央アフリカ諸国が世界のタンタル供給の約70%を占める主要生産地となった。
 同時に紛争鉱物問題も懸念されている。DRコンゴの弁護団は、Appleのフランス及びベルギーの子会社に対し、タンタルを含む「紛争鉱物」の調達疑惑について刑事告発を行った。弁護団はAppleがDRコンゴで略奪された鉱物を国際的な供給網を通じて調達し、「クリーンなサプライチェーン」であると消費者に誤認させていると主張した。本問題は、ESG(環境・社会・ガバナンス)基準や人権問題への対応を巡る国際的な議論を引き起こしている。

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