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2025年3月4日 バンクーバー 佐藤すみれ

パナマ:Cobre Panamá銅鉱山、政府は「斬新なアイデア」を模索、操業再開の可能性残るか

 2025年2月27日の定例会見にてMulino大統領は、Cobre Panamá銅鉱山に係る今後の方針について語り、現在審議が進行中の年金制度改革に決着がつき次第、鉱山問題に着手するとの意向を示した。
 パナマの年金制度は、構造上の問題や大幅な赤字により制度の持続が危ぶまれている状況であり、政府はこれを最優先の課題として改革を進めている。一方でCobre Panamá銅鉱山は、Cortizo前政権下で閉山命令が下され、現在はケア&メンテナンス状態にあり、閉山に向けた環境監査を発注するため入札の準備が進行している。
 Mulino大統領は会見にて、現在政府がCobre Panamá銅鉱山に対する今後の対応を議論中で、「斬新なアイデア」を模索していると明かした。しかしながら、本件は非常に複雑なテーマであるとし、年金制度問題が解決した後、本問題に取り組むことを約束した。また、鉱山を保有する加First Quantum Minerals社との協議の可能性については、同社が政府を相手取り申請中の国際仲裁を取り下げることが条件、と強調した。
 操業再開の可能性が残されていることを示唆するこの発言の直後、First Quantum Minerals社の株価は急上昇した。しかしながら、Cobre Panamá銅鉱山は市民による大規模抗議活動の末操業停止に至ったことから、非常にデリケートな問題であり、政府にとって国民の支持を得た鉱業政策を執っていくことが課題とされている。

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