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ニュース・フラッシュ

鉱種:
2025年4月3日 バンクーバー 佐藤すみれ

パナマ:加First Quantum Minerals社、Cobre Panamá鉱山関連の仲裁請求を取り下げ

 2025年3月31日付けリリースにて、加First Quantum Minerals社は、Cobre Panamá鉱山に関連しパナマ政府を相手取った2件の仲裁請求を中止すると発表した。
 リリースによれば、First Quantum Minerals社とパナマ政府の顧問弁護士との協議の結果、ICCに対する仲裁請求およびカナダ・パナマ自由貿易協定(FTA)に基づく仲裁請求を中止することで合意した。
 Cobre Panamá鉱山をめぐって、2023年11月、同鉱山のコンセッション契約を定める法律第406号が違憲と判断され(2023年11月30日付 ニュース・フラッシュ:最高裁、Cobre Panamá銅鉱山の鉱業コンセッション契約を違憲と判断参照)、その後閉山命令が下された。同月、First Quantum Minerals社はパナマ政府を相手取り、国際仲裁裁判所(ICC International Court of Arbitration)に対し仲裁を請求したほか、FTAに基づく仲裁の意向通知を提出していた。
 First Quantum Minerals社は声明にて、「パナマ政府との対話に全力を尽くし、国と国民のための解決策の一端を担うことを改めて表明する。」と本問題の解決への意向を示した。
 Mulino大統領は鉱山問題の対応について、優先政策である年金制度改革に決着がつき次第着手するとの意向を示していたが、2025年3月18日に、社会保障基金法を改正する法律第462号が大統領によって承認されている。また、First Quantum Minerals社との協議の可能性について、同社が仲裁請求を取り下げることが条件と主張していた。今回、仲裁請求の中止に合意が得られたことから、パナマ政府とFirst Quantum Minerals社との間で操業再開に向けた協議を開始するための条件が整ったとみられる。

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