ニュース・フラッシュ
- 鉱種:
- 銅 クロム ニッケル
加:ON州政府、重要鉱物資源開発に関する新たな法案を提出
2025年4月17日付けのプレスリリースによると、ON州政府は新法案「Protect Ontario by Unleashing Our Economy Act, 2025」を提出することを発表、これは同州のRing of Fire地域を含む鉱業や資源プロジェクト、主要インフラの開発を妨げてきた複雑な手続きと重複するプロセスを削減するとともに、強固な環境基準を維持しながら承認プロセスの合理化を通じて重要鉱物の経済的ポテンシャルの促進を目指すものである。
主な施策は以下の通り:
- 経済特区を指定する権限を創設して、事業主が厳格な操業・安全・環境基準を満たし、同州にとって重要かつ安全保障に関わるプロジェクトの推進を支援する。特定されたプロジェクトは合理化された要件や迅速な許認可プロセスの対象となる。
- ON州の承認プロセスを一本化させるという新たな許認可プロセス「1つのプロジェクトに1つのプロセス(One Project, One Process)」を通じて州内の全ての鉱山開発の迅速化を図り、同州政府による審査時間を50%短縮させる。また同州政府は引き続き先住民コミュニティとの協議義務も履行する。
- プロジェクトの承認に「登録優先」アプローチを採用し、特定の種に影響を与える住宅や交通、インフラ、その他のプロジェクトの審査の迅速化を図る。事業主は特定の種に関して登録を行い、要件を満たせば、最長2年の許認可を待つことなくプロセスを進めることができる。
- 新たに「種の保全プログラム(Species Conservation Program)」を設立し、州内の専門家やコミュニティベースの保全事業を支援する。本プログラムを通じてON州政府は現在の4倍以上である最大20mC$/年を種の保全活動に提供する。
- 環境活動や業種登録の登録料を廃止して企業の経費を削減、これにより対象となる企業側では約2.6mC$/年の経費削減が見込まれる。
- 採掘権の登録や譲渡の制限、リースの拒否や採掘権登録の取り消しなどを行うことで、悪質業者から重要鉱物資源を保護する。
- 外国国有企業や外国企業の参入を制限する一方で、許認可プロセスの合理化を図ることで安全なエネルギー網を構築する。
本法案が可決された場合、同州政府は先住民との協議義務を履行しながら、2025年9月までに経済特区を設定させることを目標に経済特区に関する明確な基準の策定に取り組む。なおニッケルや銅、クロマイトなどのON州の経済成長と安全保障に不可欠な重要鉱物の開発が優先されると予想される。
今回のON州政府の発表に対して現地メディアは、同法案が可決されたとしてもRing of Fire地域には基本インフラが整っていないことやファースト・ネーションズからの反対、環境問題やプロジェクト開発の経済性が不確実であることから、開発スピードが大幅に改善される見込みは少ないと報道している。
