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2025年5月8日 リマ 初谷和則

ペルー:地裁はMarañón川を権利主体と裁定、環境・先住民団体代表が米国で表彰

 2024年3月15日Loteto州Nauta裁判所は、Marañón川(アンデス山脈の東部に位置し北に向かって流れる)が権利を保有する主体であると認める判決を示した。同月20日付け現地報道によると、これは、ペルー北部のパイプラインから同河川への頻繁な原油流出はメンテナスや環境影響調査の更新不足が原因だとして、環境・先住民団体Huaynakana Kamatahuara Kana(HKK)がPetroperu社、環境省、水資源庁(ANA)、エネルギー鉱山省(MINEM)、Loreto州政府機関等を相手取り請求した憲法上の権利保護(アンパロ)に対する一審判決である。
 本判決は、Marañón川が汚染されずに流れる権利や生物多様性の権利等を保有すること、また先住民団体が同河川の守護者や代理人として、その権利を擁護するための法的措置を行使できること等を認めている。一方で判決は本河川の不可侵性や産業活動の禁止を意味するものではないが、事業者は河川の権利を尊重して活動すべきことを定めている。
 本判決に対して一部政府機関は抗告した。また本判決はその他の国内河川にとっての判例となる可能性がある。
 2025年4月21日、HKK代表のMari Luz Canaquiri Murayari氏は、草の根的環境保護活動の推進者を表彰するGoldman Environmental Prizeを獲得し、米国で表彰された。

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