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メキシコ:加GR Silver Mining社、Plomosas銀プロジェクトの探鉱活動を一時中止、Sinaloa州の治安情勢を懸念
2025年4月29日付けニュースリリースにて、加GR Silver Mining社は、Sinaloa州Rosario自治体に保有するPlomosas銀プロジェクトにおける現地調査活動を一時中断すると発表した。現地治安状況の懸念を受け、予防的措置として講じられる。
リリースによれば、これまでに同社所有地内での直接的な被害や脅迫行為は発生していないものの、メキシコ政府が現地の治安確保及び維持に時間を割くため、同社は現場での探鉱活動を一時中止する。
GR Silver社は2025年3月、San Marcial鉱化帯を最大350m拡大することや、平行する鉱化帯のポテンシャル評価を目的に、ステップアウト試錐プログラムを開始していた。当面は、同社の従業員をはじめとする関係者や地域住民の安全が最優先され、経営陣が適切と判断した時点でプログラムが再開される予定と発表された。
現在のSinaloa州周辺の治安情勢について、安全保障および地政学的問題を専門とする独立系コンサルタントのEduardo Ordóñez氏は、業界紙が行ったインタビューに対し以下見解を述べた。
GR Silver社による今回の判断の背景には、メキシコ最大級の麻薬組織であるシナロア・カルテルの内部抗争激化がある。同カルテルは支配権をめぐって2派に分裂し、Sinaloa州からDurango州、Jalisco州、Sonora州およびNayarit州に通じる道路と領土の覇権をめぐり激しい争いを行っている。
現地では、Plomosasプロジェクトが位置するRosario自治体を含む8つの自治体で、2025年1月から4月の間だけで2派間の衝突が少なくとも64件発生した。これに加え、敵対派閥と治安当局間の衝突も発生している。この状況下で、Sinaloa州内では商業活動に多大な影響が及んでいる。
