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2025年5月9日 バンクーバー 佐藤すみれ

メキシコ:最高裁、Napoleón Gómez議員率いる労働組合に対し、約55mUS$の支払いを命じる最終判決を下す

 2025年5月1日付け日刊紙報道によると、Cananea銅鉱山(現Buenavista銅鉱山)の権益5%売却で生じた約55mUS$の横領の罪に対し、最高裁判所は、Napoleón Gómez Urrutia上院議員が会長兼事務局長を務めるメキシコ全国鉱夫・冶金・鉄鋼労働組合(SNTMMSSRM)に全額支払いを命じる最終判決を下した。
 最初の訴訟が提起されたのは2006年のことで、今回の最終判決が下されるまでに18年を要した。判決書は700ページを超えるもので、被害者である元労働者たちが正義を求め、これまでに直面した長い道のりが記されている。鉱山権益売却で生じた利益を着服した組合に対しては、その全額約55mUS$および銀行預金で得られた利息を支払うことが命じられた。今後は、鉱山権益受け取り資格を有する対象者数を割り出し、各労働者に対する支払額が算出されることとなる。
 ※背景:1990年、当時国有鉱山であったCananea鉱山(現Buenavista銅鉱山)の民営化に際し、Grupo México社が同鉱山の権益95%を買収した。残りの権益5%は全労組員が共有し、後に解雇されたことで権益の支払いを要求した。Grupo México社は2004年、労組員の所有する権益分5%を約55mUS$で買収し労組口座に振り込んだものの、当時の会長であったNapoleón Gómez議員は、権限を利用して同口座から約55mUS$を引き出し、その資金を自身及び家族の口座に分散したとされている。このことは、後にBuenavista銅鉱山、San Martín多金属鉱山、Taxco多金属鉱山における長期ストライキの原因となった。

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