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加:BC州首相、数十億ドルの鉱山投資を確保して経済成長や先住民との和解、自然保護を行う大枠の計画を発表
2025年5月26日付けのプレスリリースによると、Eby BC州首相は同州の北西部の鉱業開発に関するスピーチを行い、経済成長や先住民との和解、自然保護を組み合わせて数百億ドル規模の投資機会と数千人規模の高賃金雇用の機会を創出するアプローチを概説した。
同州政府は今後数週間以内に、以下を含めた計画の詳細について発表を行う予定である。
- 資源開発プロセスの予測可能性を提供するため、ファースト・ネーションズとの同意に基づく合意の完了
- 先住民とのパートナーシップのもと、経済開発とのバランスを取りながら重要な土地と流域を保護するための包括的かつ迅速なプロセスの構築
- 新たな経済成長とともに北部地域コミュニティが繁栄するために必要な社会福祉とインフラへの投資
- BC州の鉱物・金属を優遇する新たな貿易協定を策定させるため、他州や連邦政府との協力
- 高い環境基準と先住民との和解にコミットしながら、許認可の迅速化を図るために資源の提供を継続
- BC州の鉱業が世界で最もクリーンであることを保証するため、クリーンな送電網を構築して新規鉱山及び拡張事業に電力を供給
- 規制やインフラ政策の変更を通じて、投資家に確実性とタイムラインを提示
- 州や国にとって重要なプロジェクトの承認プロセスを連邦機関と整合させ、1つのプロジェクトにつき審査回数を1回とさせる
現地報道によると、2025年5月にBC州議会はインフラとクリーンエネルギーのプロジェクトを迅速に推進するためのBill 14とBill 15という2つの法案を僅差で可決、法制化された。Bill 14(Renewable Energy Projects (Streamlined Permitting) Act)は州内のクリーンエネルギーのプロジェクトを迅速に進めることを、またBill 15(Infrastructure Projects Act)は州政府により重要と認定された、学校や病院などの公共部門プロジェクトや重要鉱物等の民間プロジェクトを迅速に進めることを目的としている。
だが両法案はファースト・ネーションズや環境保護団体、BC州自治体連合や商工会議所(CCI)から反対されている。ファースト・ネーションズからは、州政府が優先すべきと考えるプロジェクトの許認可や環境審査の決定を、州政府が覆す権限を与えるものとして反発、商工会議所からも州政府が事前にファースト・ネーションズとの事前協議を問題視していないため、州にとって重要だと認定された民間プロジェクトが訴訟問題に直面する可能性があるとして反対を表明、また経済界から見たら不確実性を高める結果になったとして懸念している。また政府がプロジェクトの重要性を判断できることから、その決定が政治的な理由で左右される可能性があるとしている。
