閉じる

ニュース・フラッシュ

鉱種:
2025年6月19日 バンクーバー 武市知子

加:YT準州最高裁、Minto銅・金鉱山を先住民Selkirk族に売却するプロセスの第2段階を承認

 2025年6月16日付けの現地報道によると、YT準州の最高裁判所は、先住民族Selkirk First NationへのMinto銅・金鉱山の売却を承認した。売却プロセスは2段階に分かれており、今回承認したのは後半部分の、無形資産の部分である。これによりSelkirk族が鉱業権及びリース権を740kC$で所有することとなった。Selkirk族の弁護士によると、ファースト・ネーションが採掘事業を所有・管理する初めての事例になるという。2024年9月にSelkirk族に同鉱山の建物や機材などの有形資産を5.3mC$で売却することが承認していた。(2024年9月13日付 ニュース・フラッシュ:YT準州最高裁、Minto銅・金鉱山の施設を先住民Selkirk族に売却することを承認参照)
 今回の裁判所の決定を受け、Selkirk族は自分たちの伝統的領土での事業に関して主導権を握ることができると歓迎の意を表している。
 またSelkirk族の弁護団によると、鉱山の再開について判断するため早ければ今夏にも掘削キャンペーンの実施を考えているという。Selkirk族の子会社が同鉱山の技術面を運営し、現在進められている埋め立て事業を2026年4月に引き継ぐことになる。また準州政府は2027年12月までに閉鎖計画とその他の報告義務を課し、2028年までにライセンスを付与する予定である。
 弁護士によると、同鉱山が生産を再開する保証はないとしながらも、コミュニティに経済的な刺激を加えるとともに自立を促進することが目的だという。またSelkirk族が同鉱山の単独所有者であり続ける意向はなく、プロジェクトの経済性を確保するため株式を公開して外部からの出資を求める一方、最終的にはパートナーシップを結んで鉱山開発に関してある程度の権利を保持するという。

ページトップへ