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鉱種:
鉄鉱石 その他 ニッケル リチウム
2025年6月24日 シドニー Whatmore康子

豪:豪州でグリーン分類制度「Australian Sustainable Finance Taxonomy」が策定・公表、鉱業分野を対象に含む制度としては世界初

 豪州のサステナブル金融推進機関である Australian Sustainable Finance Institute(ASFI)は、連邦財務省および連邦金融規制機関Council of Financial Regulators(CFR)と共同で策定したグリーン分類制度「Australian Sustainable Finance Taxonomy」をこのほど発表した。本制度は、自主的な利用を前提としたものであり、経済活動のうち「グリーン(温室効果ガス〈GHG〉の低排出または無排出)」または「脱炭素への移行段階」と見なせるものを明確に分類する。本制度は、鉱業(鉱物・採掘・金属)を世界で初めて分類対象に含めた点が特徴である。鉱業のほか、制度の対象となる産業分野には「農業・土地」「製造・工業」「発電・電力供給」「建設・建物」「輸送」が含まれる。鉱業分野では、脱炭素社会に向けて需要が高まっているリチウム、ニッケル、銅、鉄鉱石の採掘活動については、2019~2050年の期間でScope 1およびScope 2のGHG排出(自社操業に起因する排出)を、今後5年間で年間4.2%ずつ削減、または2019年比で2030~2050年の間に56~94%削減することが実証可能な場合、当該活動は「グリーン」とみなされる。また、化石燃料の採掘を除く鉱業分野においては、以下のような取り組みが「脱炭素への移行中」と分類される。

  • GHGゼロ排出車両の導入・運用
  • エネルギー貯蔵技術の使用(最適化ソフトウェア含む)
  • 電力供給の再生可能エネルギーへの切替
  • 低炭素技術・プロセスの研究開発(R&D)
  • 低炭素液体燃料の購入および使用
  • 電力需要管理を可能とする技術導入および設備改修
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