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ニュース・フラッシュ

鉱種:
リチウム
2025年8月5日 ロンドン ボネット佳林

ドイツ:豪Vulcan Energy社、クリーンリチウム・バッテリーセル生産支援に係る助成金を確保

 2025年7月23日付けのプレスリリースによると、豪Vulcan Energy社は、独政府が行うクリーンリチウム・バッテリーセル生産支援(Li4BAT)において、総額最大約140m€の助成金を確保したと発表した。同助成金は、同社のPhase One Lionheartプロジェクトを構成する2つの施設建設(Landauに位置する地熱リチウム抽出プラント(G-LEP)におけるリチウム原料生産施設及びFrankfurtに位置する中央リチウムプラント(CLP)におけるリチウム水酸化物加工施設)に充当されるもので、欧州連合(EU)の一時的危機・移行枠組み(TCTF)スキームに基づき、独連邦経済・エネルギー省(BMWK)の主導のもと、独連邦政府、Rheinland-Pfalz州及びHessen州により拠出される。Li4BATプロジェクトは、欧州及びドイツのEV用バッテリー市場に対して、工業規模のリチウム原料と電池グレードの水酸化リチウムを供給することを目指しており、再生可能熱を活用した持続可能なサプライチェーン構築を特徴としている。
 今回の助成金は、欧州投資銀行(EIB)が承認した最大500m€の融資枠や、再生可能熱供給部分に対する100m€の助成などとともに、プロジェクトにおける資金計画の中核を成す。拠出に際し、資金調達計画の確定(2025年9月1日まで)、プラントの建設開始(2026年1月まで)及び独国営の復興金融公庫開発銀行(KfW)が管理する原材料基金(RMF)による最大150m€の株式投資が計画通りに完了すること(2026年3月31日まで)が条件とされ、2025年10月以降の36か月間で段階的に拠出される。なお、RMFからの株式投資については交渉中で、2025年下半期に予定されているPhase One Lionheartプロジェクトへの融資の最終的な柱にすることを予定している。

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