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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ネオジム プラセオジム コバルト サマリウム レアアース/希土類
2025年10月14日 ロンドン ボネット佳林

英:Less Common Metals社、米USA Rare Earth社による買収で、西側初の「鉱山から磁石まで」の一貫供給体制を構築へ

 2025年9月29日付けプレスリリースによると、米USA Rare Earth(USAR)社は、英Less Common Metals(LCM)社の買収に合意したと発表した。LCM社は30年以上にわたり、中国以外で希土類金属・合金の製造を手がけてきた実績を持ち、今回の買収により、USAR社の鉱山資源とLCM社の中間加工能力を統合することで、西側諸国で初となる「鉱山から磁石まで」の一貫供給体制を確立する。
 USAR社は、米OH州に建設中の年産5千t規模の磁石製造施設に向け、LCM社の高品質な希土類金属・合金を供給する計画で、特にサマリウム、サマリウムコバルト、ネオジム・プラセオジム合金の製造能力が強みとなる。今回の買収は、125mUS$の資本注入を伴い、英国Cheshire州にあるLCM社の6.2km2の製造拠点の拡張も視野に入れている。
 また、LCM社はリサイクル希土類酸化物の処理能力を有しており、使用済み磁石や製造スクラップの再利用を通じて、持続可能な製造体制の構築にも貢献する。今後は、米国、英国、フランス、豪州、日本などの政府や原料供給企業との連携を強化し、グローバルな供給安定性の確保を目指す。
 USAR社とLCM社は、電気自動車(EV)、防衛、産業オートメーション分野における磁石需要の急増に対応し、非中国圏における強靭なサプライチェーンの中核を担うことを目指すとしている。

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